中古車目利き講座 日産 スカイライン GT-R

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スカイライン GT-R スポーツ車は、車体まわりのチェックと同時に走行機能系を念入りにチェックしよう。ポイントは、まず車体の床部分。不自然な歪みがないか観察しよう。エンジン関係は、異音とオイル漏れ。さらにトランスミッションなど、運転してみるとわかる部分が多いので、できるだけ試乗して確認したい。また、初期型は6年を経過しているので車体の疲労に注意。走り方によって各部に負担がかかったり部品の摩耗が進んでいることもある。点検整備の状態と部品の交換を記録簿で確認しよう。改造車も比較的多いので、改造箇所(部品)を把握することと、改造の目的(走り方)を知る必要がある。
1999年1月〜2002年8月に販売された10代目スカイラインのトップモデルがGT-R。1989年に復活したスカイラインGT-Rの系譜を受け継いだ進化版GTスポーツカーだ。クルマ好きの間ではR34型と呼ばれており、高出力ターボ(RB26DETT)エンジンにゲトラグ製6速マニュアルトランスミッションを採用するなど、本格的なスポーツ装備を備えて驚くべき運動性能を発揮する。特にVスペックモデルには専用チューンドサスペンションが組み込まれて、ディフューザー(主に車体下部の空気の流れを整える整流板)を装着しているなど、外観からも市販車最強のパフォーマンスぶりがうかがえるのも魅力だ。2000年8月のマイナーチェンジで室内色がブラックに、2001年5月には本革シートを採用したMスペックが追加されている。
CHECK POINT
01
初期型は6年を経過しているので車体のヤレに注意
02
エンジンのスムーズさをチェック
03
タイヤの偏摩耗はサスペンションまわりがあやしい
整備手帳の記録と照らし合わせてみる
事故などでボンネットに損傷を受けると、ボンネットを交換することも少なくない。ボンネットを支えている金具(ヒンジ)を固定しているネジに工具をかけた形跡を発見したら、ボンネットを修理したり交換した疑いがある。まれにエンジンを修理するためにボンネットを外すこともあるので、整備手帳に記載された記録と照らし合わせてみよう。
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スカイライン GT-R 車体の全体から異常を読みとる
車両全体が見渡せる位置まで下がって、外観を眺めてみよう。まず、車体表面の色艶を見ながら、異常がないか観察。ナンバープレートは曲がっていないか? 左右のヘッドライトの色は同じか? バンパーがずれていないか? 車体の切れ目の隙間(チリ)は均等な線になっているか? 一部だけくすんでいたり、艶が違って見えたら、修理したことも考えられる。また、近づいて車体に映る周囲の景色を見てみよう。歪みや凹み、あるいは波打っているのを見つけることもある。塗装表面が肌荒れ状態になっている場合も、事故を起こして板金塗装した修理跡かもしれない。正面、左右、上下から、見る角度を変えてみると異常を見つけやすい。
フェンダーの状態から判断する
フェンダーを固定しているネジの頭の塗装に傷が付いていれば、工具を使ってネジを脱着した跡、つまりフェンダーを交換あるいは修理していることがわかる。フェンダーに手を加えても事故車(修復歴車)扱いにはならないが、フェンダーが無傷なら大きな事故は起こしていないと判断できる。
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スカイライン GT-R 前部に受けたダメージがわかる
ボンネットを開けて、フロントグリルの後ろにあるラジエターサポート(エンジンルームのいちばん前で車体の左右に繋がっている)と呼ぶ鉄板を観察してみよう。事故などで車体前部をぶつけると、修正あるいは交換修理する確率が高い。歪みや手を加えた痕跡がないかチェック。周囲と色が違っていたら交換した証拠と思っていい。左右フェンダーとの接合部も、不自然なところはないか点検しよう。
ボンネットを開けて細部を観察する
エンジンルーム内の全体を見回して塗装の状態をチェック。ラジエターを支えていているラジエターサポートやエンジンルームの左右にあるフェンダーの色を見て、微妙に色が違っていないか観察しよう。色調が違っている部分は、再塗装している。つまり、修理をしていることになる。エンジン関係では、改造の有無をチェック。過度の改造には注意が必要だが、適度であれば部品の固定方法などをチェック。また、オイルのにじみや汚れにも注意しながら、ゴムホースやベルトの劣化など消耗部品も点検しよう。
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スカイライン GT-R フロントガラスの付け根周辺にヒント
事故などで前部に大きな衝撃を受けて車体が歪むと、外板パネルを修理することになるが、組み付ける際に誤差が出ることがある。それは、各パネル同士の隙間(チリと呼ぶ)を見ればわかりやすい。フロントフェンダーの後端とドア、さらにフロントフェンダーとピラー(フロントガラスを挟んだ左右の柱)、それぞれのチリが均一でなければ、前部の外板に手を加えた(修理した)可能性が高い。同じ場所の車体の左右を見比べてみるのもチェックのコツだ。また、再塗装する際に、色合わせがうまくいかないと、色が微妙に違うことがある。隣り合う外板の色が合っているかもチェックしよう。
側面のダメージを推測する
車体側面のドア部分に損傷を受けると、ドア自体を交換してしまうことも多い。交換する場合は、ドアを支えている金具(ヒンジ)の固定ネジを脱着するので、ネジの状態をチェックしよう。一般にネジの頭は塗装されているので工具を使えば傷で判断できるが、GT-Rの場合は、無塗装のネジを使っているのでわかりにくい。左右ドアのネジを見比べといいだろう。特定のドアだけネジの頭の傷が多ければ脱着したことが疑える。ただし、新車の組み立て時やドアの立て付けを調整するためにネジを回すこともある。ネジを脱着した形跡があるように見えても、必ずしもドアを交換しているとはいえない。
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スカイライン GT-R ドアの開口部を観察する
ドアを開けるて開口部の下部を見ると、鉄板の継ぎ目がある。リアフェンダー周辺の車体にダメージを受けて修理する場合は、継ぎ目から鉄板を剥がすことがある。一度鉄板を剥がすと、元と同じ状態には戻らない。それは、継ぎ目部分の溶接の状態を見ればわかる。車体左右の同じ場所を比べてみると、違いがわかりやすい。
トランクルームの周辺をチェック
後部をぶつけた事故などでは、ダメージが大きい場合はトランクリッド(トランクの蓋)を交換することがある。トランクリッドを修理や交換したかどうかは、リッドを支えているアームとその周辺をチェック。アームを固定しているネジを脱着した形跡がないか観察してみよう。車体側のアームの付け根も点検しよう。さらに、トランクルームの左右には鉄板の接合部分がある。追突をはじめ、後部が変形するようなダメージを受けて修理した車両の場合は、溶接部分が整っていないし、車体の左右で違っている。板金塗装をしていれば、周囲と色の雰囲気が違って見えることもある。さらに確かめるには、鉄板の継ぎ目に盛って隙間を埋めているシール材を爪で押してみよう。表面が硬くても内部が柔らかい(爪で押すと「プチッ」と表面が割れる)ようなら、修理の際に新しいシールを盛ったということがわかる。
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スカイライン GT-R 床下を覗いてダメージを探る
日頃あまり見ることがない、クルマの床下もチェックしよう。鉄板の歪みや部分的な変形をはじめマフラーなどの床下の部品類に傷や凹み、交換した形跡がないかどうかも探ってみよう。外観はきれいに修理しても、走行に影響がない見えない部分は、そのまま手を付けていない(補修や修理していない)ことがあるので、大きなダメージ跡を発見することもある。
給油口の蓋を見てもわかる
車体後部にある意外なチェックポイントが、フューエルリッド(給油口の蓋)だ。リアフェンダーを板金修理するために外すことがある。ネジを脱着した形跡がないか点検してみよう。フューエルリッドを交換していれば、塗装表面の艶が周囲と違って見えることがある。いずれにしても、リアフェンダー周辺を修理していることが疑える。また、フューエルリッドの色を参考にして塗料を調合するために外すもある。取り外した形跡があれば、再塗装するなど、他の部分を修理したり補修していることも考えられる
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スカイライン GT-R 初期点検や定期点検などの記録も必須チェックポイント
点検記録簿などのデータは、クルマのメンテナンス情報が記入されているカルテ。前オーナーがクルマをメンテナンスしていたかどうかの証拠になるのだ。部品交換の履歴や定期点検時の走行距離が明記してある車両は信頼できる。
スカイラインGT-Rのコンディションはここで見極める!
ペダルのゴムを観察する
足元のペダルのゴムをよく見ると、摩耗していることがわかる。走行距離にもよるが、ゴムの摩耗の様子からもドライバーの癖や走り方が推察できる。極端に部分的に減って光沢が出ている場合は、かなり走り込んでいると思っていいだろう。逆にきれいすぎる場合は、アルミ製部品などを被せていたことも考えられる。車両全体の様子から推察するしかないが、クルマを使ったドライバーのことが少しだけ見えてくる。
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スカイライン GT-R エンジンの調子をチェック
エンジンを始動してみよう。異音がしたり、大きな振動がするようならトラブルを抱えている可能性がある。実際に走ってみるのが望ましいが、エンジンが暖まってからアクセルペダルを軽く煽ってみて、回転がスムーズに上下するか試してみよう。また、ターボエンジンの場合は、タービンにトラブルが発生するとマフラーから白煙や黒煙が出る。排気ガスの色にも注意しよう。
試走してチェック
マニュアルトランスミッションは、まずクラッチの切れ具合をチェック。スムーズにクラッチが断続できるか試してみよう。扱いが悪いと1万kmに満たない走行距離で消耗し、滑っていることもある。クラッチを繋いだときに、エンジンが空回りしてクルマがスムーズに走らないようなら、クラッチが滑っている可能性がある。また、できれば試走して、1速からシフトアップ&ダウンを繰り返し、スムーズにギヤチェンジできるかどうかもチェックしよう。
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スカイライン GT-R 走り方を推測する
走行距離とタイヤの減り具合を見てみよう。高年式車で走行距離が少ない場合、偏摩耗(極端にタイヤの一部が減っている状態)に注意。アライメント(タイヤの取り付け角度)が狂っているだけなのか、あるいは事故で受けたダメージなどで車体が歪んでしまったのかを確かめる必要がある。また、タイヤの角や側面まですり減っていたら、激しい走り方をしていたと推測できる。その場合は、車体やエンジン、サスペンションなど各部に負担をかけていると判断できるし、走行に関わる部品などの消耗も進んでいるはずだ。さらに、ホイールの隙間からのブレーキを見てみよう。GT-Rにはブレンボのブレーキが組み込まれているが、参考車両のようにブレーキディスクに溝ができてレコード盤のようになっていることがある。ブレーキパッドの特性にもよるが、強力なブレーキはブレーキディスクの摩耗も激しいので、パッドだけでなくディスクもいずれ交換する必要があることも知っておこう。また、メーカー純正以外の太いホイール&タイヤはもとよりサスペンションをはじめ、その他にも部品を交換している(色が付いた目立つ部品が付いている)ことがわかる明らかな改造車両は、走る目的(ドリフトとサーキット、最高速などはそれぞれ違う)によってセッティング(調整)を変えているので、専門家に相談したほうが賢明だ。
改造の程度をチェック
参考車両は、マフラーがアフターパーツ(改造部品)に交換されているが、純正オプション扱いのNISMO製だ。スポーツ系の車両は改造している比率が高いので、改造部品に交換している箇所をひとつ見つけると、他の部分も改造していることが考えられる。エンジンルームや足まわり(タイヤ&ホイール、サスペンションなど)なども探ってみよう。エンジン本体や駆動系などは見るだけではわからないが、改造箇所(たいていは目立つ部品が付いている)が多い場合は、専門家に相談するほうがいいだろう。
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スカイライン GT-R シートも疲労する
シートは乗り降りによって、とくにバケットタイプに場合はサイドサポート(座面横の盛り上がっている部分)がすり切れてくる。あまりにひどい場合は、表皮が切れて中身が覗いていることもある。軽度なら補修も可能だが、シートを交換する必要があるかもしれない。また、走行距離が伸びているのにきれいなシートが付いているのは、シートを交換していることも考えられる。GT-Rには比較的多い改造なので、他のノーマル車(改造していない標準仕様車)を見ておくといいだろう。
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中古車目利き講座のチェックポイントをアドバイスしてくれるのは、財団法人「日本自動車査定協会」。経済産業省と国土交通省の指導の下で中立公正な第三者機関として、査定士の技能検定試験や、実車を使った修復歴判定の査定トレーニングなどを行っている。車両の状態を判断するプロフェッショナルだ。全国の52カ所にある支所に依頼すれば、査定目的に応じた査定額を算定して、証明書を発行してくれる(有料)。
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