【中古車目利き講座】トヨタ ラッシュ


上質車両を見極める 中古車目利き講座
トヨタ ラッシュ
CBA-J210E
参考車両:G 4WD
初年度登録 2007年6月

トヨタ ラッシュ

シティユースが多いといえるが、降雪地や山間部などで使っていた車両もある。必ず床下を覗いて、損傷や錆の有無を調べよう。内外装をしっかりチェックするのはもちろんだが、エンジンをはじめ、走行機能系の状態も確認したい。駆動系から発生する異音などにも注意。参考車両はプロテクター類を後付け装着しているが、カスタム車はパーツの取り付け状態を慎重にチェック。車体に穴あけ加工している場合は、取り付け部をきちんと処理して、錆などがないか確認。また、カスタムパーツは、修理/交換が可能かどうかも販売店に聞いて確かめよう。

●2006年1月に新発売された「テリオス」の後継車。コンパクトモデルが得意なダイハツが開発と生産を担当し、トヨタにOEM供給。SUV+2ボックス+ワゴンを融合させた新ジャンルのコンパクトカーとして、トヨタでは「ラッシュ」、ダイハツからは「ビーゴ」として発売。1.5L(1495cc)エンジンにメカニカルセンターロック付フルタイム4WDシステムを組み合わせた、悪路走破性に優れるオフローダーとしての機能を備えるコンパクトSUVだが、シティユース向けに2WD(FR後輪駆動)車も設定している。トランスミッションは4速AT。4WD車には5速MTもある。
●仕様グレードは、ベーシック「X」と上級「G」2タイプ。Gは、アルミホイール、リアスポイラー、本革巻きステアリングホイール&シフトノブ、キーフリーシステムなどを標準装備。4WD車には前席センターアームレストも加わる。また、オートエアコンのGはプッシュ式、マニュアルエアコンのXはダイヤル式の調整パネルになっている。
なお、参考車両は、フロントバンパープロテクター、サイドステップ、リアバンパープロテクター、リアバンパーステップガード、マッドガードなどを装着し、オフロードスタイルにドレスアップしている。

●参考車両と同時期の仕様グレード設定(2006.01)
グレード 型式 シフト 駆動
・4WD
X CBA-J210E 4AT 4WD
CBA-J210E 5MT 4WD
G CBA-J210E 4AT 4WD
CBA-J210E 5MT 4WD
・2WD
X CBA-J200E 4AT FR
G CBA-J200E 4AT FR

●ラッシュの主な変更とモデルタイプ(2006.01)
◇2006年1月:新発売。◇2007年11月:外板色フェスタイエローを廃止。◇2008年1月:一部改良。特別仕様車「Gリミテッド」を設定。◇2008年11月:マイナーチェンジ。内装を一部変更。燃費性能向上。

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車両の雰囲気から探る

 やや離れた位置から、車両の様子を観察しよう。外装部品の立て付けや塗装面の状態など、外観に違和感や不自然に見える部分などがないかチェック。異常があれば、近寄って詳しく調べよう。

 前面は、ボンネット/ヘッドライト/バンパーなどが並んでいるバランスと、全体的には左右対称になっていることを確認。

 左右ヘッドライトの片方だけが新しい場合(交換の疑い)は、その側の車体部を修理している可能性もある。ナンバープレートの傷や変形、修整の形跡なども、車体部へのダメージを疑ってみる。

後部のチェック

 背面タイヤが特徴といえるが、前部と同様に、バンパー/テールゲート/コンビネーションランプ(テールライト)/リアフェンダーなどが並んでいるバランスをチェック。後部ナンバープレートは、封印の傷(プレートを外して付け直した形跡)に注意。

 テールゲートの立て付けを見て、全体に狂っていれば、テールゲートがずれているか、あるいは車体が歪んでいる疑いもある。部分的に隙間の異常箇所があれば、その部分の車体部を修理/交換していると考えられる。

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整備状態を確かめる

 定期点検整備記録と突き合わせて、エンジンルーム内をチェック。オイルの滲みや汚れ(漏れの兆候)などにも注意。できれば、オイルの量および汚れ、ブレーキの液量なども点検したい。

 周囲と比べて新しい、交換している部品があれば、消耗部品か、不具合が起きたか、それとも事故などでダメージが及んだのか。整備記録も探ってみよう。

車体内側の鉄板部を確認

 左右フェンダー側のパネルやフレーム類、室内側のダッシュパネルなど、各部の鉄板を見てみよう。車体の骨格となる部分を修理している車両は修復歴車になっているはずだが、念のために、歪みなどダメージ痕や修理/交換の形跡などがないかチェック。

 部品やネジなどに塗装の飛沫が付着している場合は、車体部に修理跡がないか、周辺を調べよう。

ボンネットのチェック

 外面だけでなく、裏面側に修理跡などがないかチェック。ダメージを負うと交換することもあるので、ヒンジ部のネジを脱着した形跡がないかも確認。衝撃吸収構造になっているヒンジの状態にも注意。

 ボンネットを修理/交換していれば、ボンネット単独の損傷も考えられるが、車体部も修理している可能性があるので、車体前部一帯を慎重にチェックしよう。

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前部の必須チェックポイント

 エンジンルームのいちばん前で車体の左右に繋がっているラジエターサポートは、車体部に大きな衝撃を受けると影響が及びやすい。修正あるいは修理/交換している形跡などがないか確かめよう。

 ラジエターサポートを支えている鉄板部の状態はじめ、ヘッドライトやバンパーなど関連部品類の取り付け状態にも注意しながらチェックしよう。

取り付け状態を確認

 フロントフェンダーは、エンジンルーム側に腐食や修理跡などがないかチェック。固定ネジを脱着した形跡がないかも確認。フロントフェンダーは車体の重要な補強部材とはなっていないので、些細な損傷などを修理しても修復歴にはならないが、フェンダーを外して修理、あるいは交換していれば、車体内側の骨格部にダメージが及んでいないか確かめる必要がある。

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隙間の幅と色調を比べる

 立て付けを見る時は、例えば車体前部側面は、バンパー、ヘッドライト、ボンネット、フェンダー、ドア、ピラー(フロントガラス部の柱)などが隣接している。それぞれの隙間の幅が均等になっていなければ、ダメージを負ってずれているか、修理あるいは交換している可能性がある。

 隣り合うパネルの色調にも注意しよう。修理や交換で塗装していると、色艶が微妙に違って見えることがある。

角度を変えると見える

車体まわりは、見る角度を変えながらチェックしよう。プレスラインのずれや崩れ、立て付けの微妙な狂いなども確かめやすい。表面を斜めから透かして見れば、浅くて広い凹みや波打ち(しわ)なども見落とすことがない。

 しわが寄っているのは、ダメージ痕か板金修理跡。塗装面の艶が周囲と違う部分とか、肌荒れ状態になっている箇所なども、修理跡の疑いがある。

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縁も覗いてチェック

 フェンダーは、膨らんでいるホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)を傷付けることも多い。傷があれば、傷の深さと範囲を確認。凹みを伴っていないか、フェンダーに歪みが生じていないか確認。鉄板を内側に折り込んでいる縁の部分に修理跡などがないかも必ずチェックしよう。

 フロント部は、フェンダーライナー(内側に設置している泥よけ)やマッドガードの取り付け状態にも注意。

側面のチェックポイント

 ドアに大きな損傷を負うと、外して修理、あるいは交換してしまうことも多い。ドアヒンジ部の取り付けネジを脱着していないかチェックしよう。ただし、立て付け調整などでネジを回すこともあるので、ネジ脱着の形跡だけではドアを修理/交換していると断定するわけにはいかない。ドア自体をはじめ、ピラー(柱)やサイドシル(ドア下の梁)など、周辺も調べて判断する必要がある。

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下側に注意ポイント

 側面はサイドシル(ドア下にある車体前後方向に通っている梁)もチェックポイント。損傷や修理跡などがないかチェック。

 下側も覗いて、下に出っ張っている鉄板の接合部にダメージがないか確認しよう。

 参考車両のようにサイドステップを装着している場合は、サイドステップに損傷や修理/交換の形跡などがないかチェック。取り付け部分にダメージがないかも確認したい。

リアフェンダーのチェック

 リアドアを開けて、開口部を見てみよう。乗り降りなどで傷付けることも多い。傷や補修跡などがないかチェック。マスキング跡があれば、フェンダーを補修/修理している。周辺を詳しく調べよう。

 下部の角(フェンダーとサイドシルの接合部)付近に修理跡がないかも注意。

 車体右側は、フューエルリッド(給油口のカバー)を開けて、内部にマスキング跡や修理跡などがないかチェックしよう。

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開閉してチェック

 横開き式テールゲート。スムーズに開け閉めできるかどうか、開閉動作をまずチェック。

 閉まり具合がよくない(閉める時にカチッと収まらない)場合は、テールゲートがずれているか、あるいは車体が歪んでいる疑いもある。テールゲートがずれているだけなら調整で直ることもあるが、車体が歪んでいる車両を選んではいけない。

取り付け部周辺も確認

 テールゲートは、ドアと同様に、裏面側に修理跡はないか。交換の形跡(取り付けネジ脱着など)がないか確認。ヒンジおよびヒンジ取り付け部の周辺にダメージ痕や修理/交換跡などがないかもチェックしよう。

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鉄板の接合部を調べる

 開口部の左右を見ると、鉄板の接合部がある。修理/交換の形跡などがないか、溶接やシーラー、塗装の状態を慎重にチェック。

 下部は、コンビネーションランプやバンパーなどの取り付け状態にも注意しよう。

 修理/交換の形跡があれば、フェンダー、キャビン(室内)、ルーフなど、関連部分にダメージが及んでいないか広範囲に調べる必要がある。

ラゲッジフロアの中も見る

 床底のパネルにしわや歪み、修理跡などがないかチェック。周辺に貼ってある防振シートの切り接ぎや張り替えた形跡などにも注意。塗装むらがあるので判断は難しいかもしれないが、新しい塗装跡があれば、錆などの補修か修理跡か調べよう。

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タイヤとホイールのチェック

 タイヤは、スリップサインを目安に残り溝の深さを点検。傷や異物の刺さり、ひび割れなどがないかもチェック。

 溝が十分に残っていても、摩耗状態も調べよう。接地面の外側だけとか内側だけなど、一部が極端に減っている偏摩耗が起きていれば、アライメント(ホイールの取り付け角度)が狂っているのか、あるいは車体が歪んでいるのか、確かめる必要がある。

 ホイールは、リム部(タイヤと接している外周部)の傷に注意。傷があれば、凹みや曲がりを伴っていないか確認。アルミホイールは、過度な衝撃で生じる変形や割れなどにも注意したい。

床下を覗いて確認

 フレーム(骨格)やメンバー(補強部材)など鉄板部に損傷を負っていないか、修理/交換の形跡などがないかチェック。同時に、サスペンションやマフラーなど部品類や、ブラケットなど金具類に損傷や曲がり、歪み、修理/交換跡などがないかチェック。

 油脂汚れ(オイルやグリスなどの漏れの兆候)、ゴム部品の劣化(ひび割れなど)などにも注意しよう。錆が発生していれば、広がり範囲と腐食の進行状態を調べよう。

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不具合の兆候を探る

 エンジンをかけて、始動時の状態やアイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。

 スターターに勢いがなくエンジンがかかりにくければ、バッテリーが弱っている場合もあるが、発電機など関連部に不具合がないかも調べる必要がある。異音の発生、大きな振動、白煙(水蒸気なら問題ない)や黒煙の排気ガスなどは、なんらかのトラブルを抱えている。できれば試走して確かめたいが、エンジンが暖まってからアクセルペダルを軽く踏んで、スムーズに回転が上下するかどうかも試したい。

オートマチックのチェック

 エンジンをかけてブレーキペダルを踏んだままセレクトレバーを操作して、スムーズに各ポジションに切り替えできることを確認。できれば試走して、ギヤが切り替わる時に大きなショックがあるとか、アクセルを踏んだ時に滑っている感じがするなど、走行時に不具合の症状が出ていないことも確かめたい。

 4WD機構や駆動系は、販売店でしっかり点検してもらおう。

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動作と同時に機能を確認

 電装機器や電動機構などは、すべて操作して、正常に作動することを確かめよう。スイッチをオン/オフしてみるだけでなく、調整操作して、それぞれの機能を確認。エアコンやオーディオなどのほか、保安装置類(ヘッドライト、ウインカー、テール/ブレーキ/バックランプなど)、パワーウインドウの開閉、室内ランプの点灯なども、忘れずにチェック。カーナビは、地図データの収録時期も確かめよう。

隅まで細かくチェック

 室内は、シートや内装材などに汚れや染み、傷、穴などがないか。運転席周辺だけでなく、後席やラゲッジスペース、フロアマットの下や天井の状態まで、細かくチェック。各所に設置している樹脂部品の傷や破損などにも注意。

 飲食物の染み、積載物による傷、タバコや香料の臭いなど、室内の様子から車両がどのように使われていたか推測してみよう。

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車両の情報をチェック

 「定期点検整備記録簿」は、必ず記載内容を確認。車両がどのように使われ、整備されてきたのかがわかり、定期点検や消耗部品交換などの実施時期と、その時の走行距離を把握しておけば、車両各部の状態を探る参考になる。詳細な記録が残っている車両は、大きな問題を抱えていないとも考えられる。

 備え付けの書類は、「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、オプションなど後付け装備が付いている場合は、それぞれ使用説明書が揃っていることも確かめよう。

車両チェックの勘どころ
塗装

●部分的に色調や艶が違う場合には、周辺の状態もチェック。

●タイヤハウス(フェンダーのタイヤを覆っている部分)内に外装塗料が付着しているとか、メッキやゴム部品などに塗料の飛沫が付いているなどの場合も、周辺を詳しく確かめる必要がある。

●ドアの開口部などにマスキング(塗装スプレーが他の部分に広がらないようにするカバーを留める粘着テープを貼る)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、何らかの理由で塗装していることがわかる。

取り付けネジ

●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体まわりの部品を交換する時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれているのは、ネジを回している証拠だ。

●普通はネジの頭は塗装されているので、傷は比較的容易に確認できる。無塗装の場合は判断しにくいので、車体の左右を見比べるといい。

溶接とシーラー

●車体を構成する部品が溶接で固定されている部分は、シーラー(接合部の隙間を埋める充填材)が塗布されている。修理や交換で再溶接すると塗り直すので、不自然になっている。

●疑わしい場合は、爪で押してみよう。表面が硬くても内部が柔らかい(プチッと表面が割れる)ようなら、修理後に新しいシーラーを盛っている。

●シーラーは、盛り上がっていたり、窪んでいたり、横方向にヒダがあるなど、鉄板の接合状態やシーラーを塗布する方法によって形状が違っている。不自然に見える部分を見つけたら、車体の左右同じ場所を見比べて判断しよう。

●車体各部はスポット溶接している(鉄板の接合部に小さな丸い窪みが並んでいる)部位も多いが、修理工場でスポットを打ち直している場合は、直径が5mm以下(新車時は5mm以上が普通)、窪みが深い、2度打ちしたずれなど、新車組み立て時の状態とは異なる特徴がある。

●電気スポット溶接の電極が入らない奥まった部分などは、炭酸ガスアーク溶接に代えることがあるので、スポット溶接の窪みがなくなっていることもある。

立て付け

●外板パネルなどを修理すると、組み付ける際に誤差が出ることがあり、それは、隣り合うパネルの隙間(チリ)を見ればわかる。隙間の幅が均等になっていなければ、修理している可能性がある。

●バンパーなどは押されてずれることもあるが、たとえ修理していなくても、隙間が合っていなければ、なんらかのダメージを受けている。

●モール類(フェンダーからドアにかけて線状に繋がっている飾りなど)やプレスライン(外板が折れ曲がっている角の線)がずれていることからも、立て付けに異常があることがわかる。

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