日産 ピノの上質な中古車の見極め方


上質車両を見極める 中古車目利き講座
日産 ピノ
参考車両:S3AT
初年度登録2007年4月

日産 ピノ

軽自動車はユーザー層が幅広いが、ピノは新車価格が比較的安価なこともあり、気軽な日常の足として使われていることが多い。車体まわりは、小さな傷や凹みなどに注意するが、修理跡など、大きなダメージを受けた痕跡がないかを見逃さないようにチェックしよう。整備記録も必ず確認。しっかり定期点検整備している車体もあるが、中には整備不足でトラブルを抱えている車両もある。たとえ外装がきれいでも、クルマの機能に問題がある車両を選んではいけない。

●2007年1月に新発売された、日産としては「モコ」「クリッパー」「オッティ」に続く4車種目の軽自動車。低価格・低燃費・カジュアルなデザインを特徴とし、10〜20歳代および50歳代以上に支持(発売当初)されている。  スズキからのOEM供給モデルだが、フロントまわりやホイールキャップ、シート生地などが日産車専用デザインになっており、ABSを全車標準装備としている。

 エンジンは、直列3気筒660(658cc)。トランスミッションは、5速マニュアル・3速オートマチック・フルレンジ電子制御4速オートマチックの3種。駆動方式は、2WD(FF/前輪駆動)と4WDがある。

 仕様グレードは、ベーシックタイプの「S」に対して上級の「E」は、リアワイパー(4WDは全車標準装備)、チルトステアリング、メッキタイプシフトノブボタン、運転席バニティミラー、運転席シートリフター、リアヘッドリスト、リア5:5分割シートなどを装備している。

 また、2WD全車と4WDの4AT/5MT車は、平成17年基準排出ガス75%低減レベルに適合。4WDの3AT車だけは、平成17年基準排出ガス50%低減レベル適合になっている。

参考車両と同時期の仕様 

グレード 型式 シフト 駆動
S DBA-HC24S 5MT FF
S DBA-HC24S 3AT FF
E DBA-HC24S 4AT FF
S FOUR DBA-HC24S 5MT 4WD
S FOUR CBA-HC24S 3AT 4WD
E FOUR DBA-HC24S 4AT 4WD
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不自然な部分はないか

 やや離れた位置から、車両全体の様子を見てみよう。外板パネルや各部の部品、塗装面など、外観に異常がないか確かめよう。

 前面は、バンパー/ボンネット/ヘッドライトなどが並んでいる横と縦の線のバランスと、左右対称になっているかをチェック。

左右ヘッドライトを見比べて、片方だけ新しい場合は、ライトの交換だけも考えられるが、車体部を修理している疑いもある。周辺を詳しく探って確かめよう。また、ナンバープレートの補修や修正跡なども、車体のダメージを推察するヒントだ。

角度を変えると見える

 車体周りをチェックする時は、見える角度を変えながら観察しよう。外観がきれいでも、斜め方向から透かして見ると、見落としがちな浅くて広い凹み、エクボと呼ばれる小さな凹み、あるいは浪うち(板金修理跡のしわ)なども確認できる。

 部分的に色艶が違っていたり、肌荒れ状態になっているなど、塗装面に異常がある箇所も、補修か修理している可能性が高い。

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整備状態をチェック

 定期点検整備記録とあわせて、ゴムホースやベルトの劣化など、消耗部品を中心にエンジンと周辺をチェック。冷却水やオイルの量および汚れ、ブレーキやウォッシャーの液量なども点検。オイル汚れや滲みなど、オイル漏れの兆候などにも注意しよう。

 周囲と比べて新しい、交換した部品が付いている場合は、故障や不良か、消耗か、あるいは事故などか、交換の理由を確かめよう。

鉄板部もしっかり確認

 エンジンルーム内は、左右フェンダー側のインナーパネルや室内側のダッシュパネルなど、車体内側の鉄板もチェックしよう。

 溶接やシーラー、塗装の状態などから、修理跡や交換あとなどはないか、念入りに調べよう。

 インナーパネルに大きなダメージを受けると、走行機能面に重大な不具合が生じる。特にサスペンションの取り付け部周辺に注意しよう。

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ボンネットのチェック

 外面の傷などをチェックするだけではなく、裏面に修理跡などがないかも確かめよう 損傷を負うと、外して修理したり、交換することもある。ヒンジ部のネジを脱着した形跡がないかも確認。

修理/交換していれば、ボンネット単独の損傷も考えられるが、車体前部の修理を伴っている可能性が高い。

必須チェックポイント

 車体前部は、エンジンルームのいちばん前で車体の左右に繋がっているラジエーターサポートを必ずチェック。車体前部をぶつけると。衝撃の影響を受けやすく、修正や交換修理する確立が高い。外部をきれいに直しても、ここに事故の痕跡が残っていることがある。フロントグリルやヘッドライトなど、関連する周辺部に異常がないかも確かめよう。

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取り付け状態を確認

 フロントフェンダーは、取り付け部をチェック。固定ネジを脱着した形跡があれば、フェンダーを外して修理、あるいは交換している可能性がある。支えている金具に異常がないかも調べよう。

 フロントフェンダーは、重要な車体補強部材ではないので、修理などで手を加えても修復歴車の扱いにならない。修理跡があっても、外すほどでなければ、大きな衝撃を受けていないと考えられる。外して修理/交換していれば、他にもダメージが及んでいないか、広範囲に調べる必要がある。

隙間と幅と色調を比べる

 立て付けのチェックでは、例えば側面は、隣り合ったフェンダーとドアの隙間と縦線。幅が均等になっていなければ、どちらかにダメージを受けてずれているか、あるいは修理/交換している(組み付ける際にずれた)可能性がと推測する。

 また、色が微妙に違っているなど、隙間を境に隣り合うパネルの色調が合っていない場合も修理や交換を疑ってみる。

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フェンダーの縁も調べる

 フェンダーは、膨らんでいる部分に擦り傷を付けることも多いが、傷を見つけたら、凹みを伴っていないか確かめよう。

 ホイールアーチ部(タイヤを囲んでいるフェンダーの縁)に修理跡などがないかも覗いてチェック。関連する(ホイールアーチ下部に取り付け部がある)側面下部ガーニッシュ(ドア下のサイドステップ)を修理/交換している形跡がないかも調べよう。

車体側面のチェック

 ドアに大きな損傷を受けると、外して修理したり、あるいは交換することも多い。ドアヒンジの固定ネジを脱着していないかチェックしよう。

 ただし、新車の組み立て時やドアの立て付け調整でネジを回すこともあるので、ネジ脱着だけではドアを修理/交換しているとは断定できない。ドア本体をはじめ、周辺の様子も詳しく調べて判断する必要がある。

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リアフェンダーのチェック

 リアドアの開口部を見てみよう。マスキング跡があれば、リアフェンダーを補修、あるいは板金修理している可能性がある。

 リアフェンダーとサイドシル(開口部下部にある梁)の接合部付近に不自然な様子がないかも確かめよう。

 また、フューエルリッド(給油口の蓋)を開けて、内部をチェック。マスキング跡や修理跡などがないかも確かめよう。

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減り具合と減り方を見る

 タイヤは、スリップサインを目安に、残り溝の深さをまず点検。傷や異物の刺さりなどにも注意。残り溝が十分に残っていても、減り方(磨耗状態)も調べよう。接地面の内側や外側だけなど、一部が極端に減っている偏磨耗を見つけたら、アライメント(ホイールの取り付け角度)が狂っているだけか、あるいはダメージを受けて車体が歪んでいるのかを確かめる必要がある。偏磨耗は、前部インナーパネルの変形などで起こることがある。

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テールゲートにヒント

 車体後面も前面と同様に、バンパー/テールゲート/コンビネーションランプ(テールランプ)などのバランスをチェック。後部ナンバープレートは封印を剥がした痕跡に注意。

 テールゲートの立て付けが全体に狂っている場合は、ゲートのずれか、あるいは車体全体の歪みも考えられる。片側だけの隙間に異常があれば、その側の車体部を修理している可能性が高い。

 また、テールゲートを開閉して、スムーズに閉まらない場合も、ゲートがずれているか、車体が歪んでいる可能性がある。

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開口部を確かめる

 テールゲートを外して修理/交換していないか、取り付け状態をチェック。ヒンジとその周囲に異常がないかも確かめよう。

 開口部左右には、鉄板の接合部がある。溶接やシーラー、塗装などの状態をチェック。修理跡などがないか調べよう。コンビネーションランプやバンパーの交換修理にも注意。

 後方から大きな衝撃を受けると、キャビン(室内)やルーフなどに波及することがある。修理跡を見つけたら、ほかの部分にダメージが及んでいないか、周辺と関連部を広範囲に調べる必要がある。

床の中を調べる

 ラゲッジスペースの床内に収納されているスペヤタイヤを外してみよう。歪みや修理跡などがないかチェック。底に貼ってある防振シートの切り接ぎや張り替えた形跡なども修理のヒントだ。

 塗装の異常(艶や色調の違いなど)は、錆などの補修か、修理跡か、周囲も調べて確かめる。また、水溜り(雨漏り)の跡があれば、水が浸入した原因を探る必要がある。

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床下を覗いてチェック

 車体を構成している鉄板部に損傷や歪み、修理後などがないか。サイドシル(ドアの下にある車体前後方向に通っている梁の部分)下部の傷や凹み、修理跡にも注意。

 サスペンションやマフラー、ステー(支え金具)やアーム類など、各部の部品に損傷や変形、交換の形跡などがないかもチェック。ゴム部品の劣化(ひび割れなど)、油脂汚れ(オイルやグリスの漏れの兆候)、錆の発生などにも注意しよう。

不具合を察知する

 エンジンをかけて、始動時の状態とアイドリング回転をチェック。実際に走ってみるのが望ましいが、エンジンが暖まってからアクセルペダルを軽く煽って、スムーズに回転が上下するかどうかも試してみよう。

 容易に始動しない場合は、バッテリーが弱っている意外に、充電系統、あるいは燃料や点火系など、さまざまな不良要因が考えられる。また、回転中に、異音が聞こえたり、大きな振動が出るようなら、トラブルを抱えている可能性がある。

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オートマチックのチェック

 エンジンをかけてブレーキを踏んだまま、DやRなど、各ポジションに操作して、引っかかりやゆるみ(ぐらつき)などはないか、セレクトレバーの動きを確認。

 出来れば試走して、ギヤが切り替る時のショックが激しすぎないか、異音は聞こえないか、アクセルを踏んだ時に滑っているような感じがしないかも確かめたい。

装備機器の動作確認

 ウィンカーやヘッドライト、テール/ブレーキ/バック、ハザード、ワイパーなどが確実に作動することをまず確認。

 さらに、オーディオやエアコンなどの装備機器類をすべて操作してみる。スイッチをオン/オフするだけでなく、調整操作して、機能を確かめよう。

 パワーウィンドウの開閉やルームランプの点灯などを見落とすことが多い。特にエアコンは、寒い日でも冷房のチェックを忘れずに。

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後部もしっかりチェック

 室内の状態は、シートは内装材に汚れや染み、傷、穴あきなどがないかチェックするが、運転席周辺だけでなく、助手席、後席、ラッゲッジスペースまで、念入りに調べよう。

 樹脂部品の傷や損傷、取り付けの緩み、脱落などにも注意しよう。

車両の情報を確かめる

 備え付けの書類を調べよう。「車検証」で初年度登録年月日と型式、「保証書」で保証期間と保証内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、オプションや後付け装備がついている車両はそれぞれの使用説明書などが揃っていることも確かめよう。

 車両チェックには「定期点検整備記録簿」が不可欠。 車両がどのように使用され、整備されているかが記録されている。定期点検や消耗部品交換などの実施時期と、その時の走行距離を把握しておけば、車両各部の状態を探る参考になる。また、前後のウインドウをはじめ、車体各部に貼ってあるステッカーなどの表記内容にも注意しよう。

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車両チェックの勘どころ
塗装

●部分的に色調や艶が違う場合には、周辺の状態もチェック。

●タイヤハウス(フェンダーのタイヤを覆っている部分)内に外装塗料が付着しているとか、メッキやゴム部品などに塗料の飛沫が付いているなどの場合も、周辺を詳しく確かめる必要がある。

●ドアの開口部などにマスキング(塗装スプレーが他の部分に広がらないようにするカバーを留める粘着テープを貼る)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、何らかの理由で塗装していることがわかる。

取り付けネジ

●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体まわりの部品を交換する時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれているのは、ネジを回している証拠だ。

●普通はネジの頭は塗装されているので、傷は比較的容易に確認できる。無塗装の場合は判断しにくいので、車体の左右を見比べるといい。

溶接とシーラー

●車体を構成する部品が溶接で固定されている部分は、シーラー(接合部の隙間を埋める充填材)が塗布されている。修理や交換で再溶接すると塗り直すので、不自然になっている。

●疑わしい場合は、爪で押してみよう。表面が硬くても内部が柔らかい(プチッと表面が割れる)ようなら、修理後に新しいシーラーを盛っている。

●シーラーは、盛り上がっていたり、窪んでいたり、横方向にヒダがあるなど、鉄板の接合状態やシーラーを塗布する方法によって形状が違っている。不自然に見える部分を見つけたら、車体の左右同じ場所を見比べて判断しよう。

●車体各部はスポット溶接している(鉄板の接合部に小さな丸い窪みが並んでいる)部位も多いが、修理工場でスポットを打ち直している場合は、直径が5mm以下(新車時は5mm以上が普通)、窪みが深い、2度打ちしたずれなど、新車組み立て時の状態とは異なる特徴がある。

●電気スポット溶接の電極が入らない奥まった部分などは、炭酸ガスアーク溶接に代えることがあるので、スポット溶接の窪みがなくなっていることもある。

立て付け

●外板パネルなどを修理すると、組み付ける際に誤差が出ることがあり、それは、隣り合うパネルの隙間(チリ)を見ればわかる。隙間の幅が均等になっていなければ、修理している可能性がある。

●バンパーなどは押されてずれることもあるが、たとえ修理していなくても、隙間が合っていなければ、なんらかのダメージを受けている。

●モール類(フェンダーからドアにかけて線状に繋がっている飾りなど)やプレスライン(外板が折れ曲がっている角の線)がずれていることからも、立て付けに異常があることがわかる。

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