中古車目利き講座 三菱 パジェロ

上質車両を見極める 中古車目利き講座
パジェロ
参考車両 :エクシードII ロング
初年度登録2002年3月
MITSUBISHI
PAJERO 
TA-V75W
三菱 パジェロ
オフロード車がベースのSUVは、車体のチェックはもちろん、室内の細部も探って、車両がどのように使われていたかを見極めることも大切だ。ほとんどの車両は街乗りだけに使われているが、中なかには悪路を走行していた車両もある。床下も念入りに調べよう。外観の細かい傷を気にするよりも、整備状態のチェックを優先したい。また、改造車も比較的多いが、改造箇所を把握すること。過剰な改造は、合法の範囲内か、走行のバランスに問題がないか、確かめたい。
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●参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード 排気量 型式 シフト
・ショート(3ドア/定員5名)
ZR 3.0 LA-V63W 5MT
  3.0 LA-V63W 4AT
エクシード-I 3.5 TA-V65W S-4AT
  3.2D KH-V68W S-4AT
エクシード-II /エクシード-II MMCSレス仕様 3.5 TA-V65W S-5AT
  3.2D KH-V68W S-5AT
スーパーエクシード /スーパーエクシード MMCSレス仕様 3.5 TA-V65W S-5AT
  3.2D KH-V68W S-5AT
・ロング(5ドア/定員7名)
ZX 3.0 LA-V73W 5MT
  3.0 LA-V73W 4AT
ZR 3.0 LA-V73W 5MT
  3.0 LA-V73W 4AT
エクシード-I 3.5 TA-V75W S-4AT
  3.2D KH-V78W S-4AT
エクシード-II /エクシード-II MMCSレス仕様 3.5 TA-V75W S-5AT
  3.2D KH-V78W S-5AT
スーパーエクシード /スーパーエクシード MMCSレス仕様 3.5 TA-V75W S-5AT
  3.2D KH-V78W S-5AT
●1999年9月にフルモデルチェンジした3代目。ボディは、「ショート」と「ロング」。エンジンは、「3.5」直噴ガソリン(10月発売)と新開発「3.2」直噴ディーゼルの2種。モノコックボディ+4輪独立懸架サスペンションや「スーパーセレクト4WD-II」を採用。
 参考車両は、2002年9月まで販売されていた前期型(後期型は2002年9月〜 2006年10月)で、2000年8月マイナーチェンジ(V6「3.0」ガソリンエンジンと5速MTを設定)と、2001年8月マイナーチェンジ(カーナビ/オーディオを変更し、上級グレードを中心に機能/装備を充実)を経た後のタイプ。
 「ZX」は、経済性と実用性を重視した法人ユーザー向け。ベーシックグレードの「ZR」は、アルミホイールやキーレスエントリーを標準装備。上級仕様のエクシードは、4速ATの「エクシードI」に対して「エクシードII」は5速ATになっており、フォグランプやディスチャージライトを装備。最上級「スーパーエクシード」はサンルーフや革シートを備えている。エクシード系は、MMCS(カーナビシステム)標準装備と、未装着「MMCSレス仕様」がある。
 また、前期型の時期には、パリ-ダカール-カイロラリー出場記念特別仕様車「エクシードS/エクシードL」(2000年1月)、期間限定車「パリダカレプリカ」(2000年2〜3月)、パジェロ発売20周年記念特別仕様車「20thアニバーサリープレミアムパッケージ」(2002年1月)なども発売されている。
車両の違和感を探る
 少し離れた位置から、車両全体を観察してみよう。各部品の立て付けや塗装状態などに異常がないか、チェック。
 前面は、バンパー/グリル/ボンネット/ライトなどの横線が揃っているか。左右対象になっているかを確認。
 ヘッドライト/ウインカーやフォグランプの左右バランスを見て、片方だけ新しい(交換している)場合は、その側を修理している可能性がある。ライトが破損しただけか、車体部の修理に伴う処置か、周辺を探って、交換した理由を確かめよう。
 ナンバープレートの傷や変形、文字修整なども、修理/交換のヒントになる。
パジェロ
パジェロ 角度を変えると見える
 車体表面やプレスラインは、見る角度を変えながら探ろう。
 斜め方向から透かして見ると、見落としやすい浅くて広い凹み、あるいは波打ち(しわ)など、微妙な異常も確認できる。
 しわが寄っているのは、衝撃を受けているか、板金修理跡だ。
 また、塗装面の艶が周囲と違っていたり、肌荒れ状態などになっている箇所も、補修程度の場合もあるが、板金修理跡の疑いがある。
整備状態を確かめる
 点検整備記録とつき合わせて、ゴムホースやベルトの劣化など、消耗部品を中心にエンジンと周辺の部品をチェック。
 できれば、冷却水やオイルの量および汚れ、ブレーキ液量なども点検したい。エンジン周辺のオイル汚れや滲み(漏れ)にも注意。
 新しい部品が付いているのを見つけたら、故障や整備で交換したのか、車体部の修理に伴う処置なのか、探って確かめよう。
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内側の鉄板をチェック
 エンジンルーム内は、左右フェンダー側のインナーパネル、室内側のダッシュパネルなど、鉄板部を調べよう。溶接、シーラー、塗装などの状態を手がかりに、修理跡などがないか、チェック。
 インナーパネルは、ダメージを受けると走行機能面に不具合が生じるので、特に注意したい。
 また、部品やネジなどに塗装の飛沫が付着している場合は、周辺に修理跡がないか、探ってみよう。
パジェロ ボンネットの裏も確認
 表面をチェックしたら、裏側に修理跡などがないかも調べよう。ボンネットは、外と内のパネルを張り合わせた構造になっている。特に縁の接合部周辺に注意。
 交換することもあるので、ヒンジ部のネジを脱着した形跡がないかをチェック。ボンネットを修理/交換していれば、周囲の車体前部を詳しく調べる必要がある。
車体前部の目利きポイント
 エンジンルームのいちばん前で車体の左右に繋がっているラジエターサポートを、必ずチェック。車体前部に衝撃を受けると影響が及びやすく、修理、あるいは交換する確率が高い。外観がきれいな車両でも、ここを見れば、ダメージを受けていることがわかる。
 修理/交換の痕跡などがないか、確かめよう。同時に、ヘッドライトやグリルなどの取り付け状態にも注意。
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パジェロ 取り付け状態を確かめる
 フロントフェンダーに大きな損傷を負うと、外して修理したり、交換することもある。固定しているネジを脱着した形跡がないか、確かめよう。
 フロントフェンダーは、修理しても修復歴車の扱いにはならないが、外した様子がなければ、大きなダメージは受けていないと判断できる。外していれば、インナーパネルなど、重要な部分にダメージを受けていないか、確かめる必要がある。
フェンダーの中も調べる
 フェンダーはホイールアーチ(タイヤを覆っている縁の部分)に修理跡がないかを確かめる。プロテクターを設置しているので車体部は見えない(リアフェンダーの一部はドアを開けると見える)が、プロテクターの取り付け状態を、まず確かめよう。
 さらに奥を覗いて、タイヤハウス部(フェンダーの内側)に修理跡がないか、チェック。塗装の飛沫が付着している場合は、その周辺に修理跡がないか、確かめよう。
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パジェロ パジェロ 車体側面のチェック
 ドアに大きな損傷を受けると、外して修理したり、交換してしまうこともある。ドアヒンジのネジを脱着した様子がないか、チェック。
 ただし、立て付け調整などでネジを回すこともあるので、ネジ脱着の痕跡が必ずしもドアを交換した証拠とはいえない。ドア自体をはじめ、ピラー(ドア部分の柱)やサイドシル(ドア下に通っている梁)などに異常がないか、周辺も確かめて判断する必要がある。
リアフェンダーのポイント
 リアドアを開けて、開口部の塗装面を見てみよう。リアフェンダーの傷や凹みの補修、あるいは板金修理している場合は、塗装時にマスキングした跡が残っていることがある。
 フューエルリッド(給油口の蓋)も開けて、内部にマスキング跡や修理跡などがないか、チェック。
 また、フューエルリッドだけ周辺の色調と違っていれば、リアフェンダーを修理している可能性がある。詳しく調べてみよう。
パジェロ パジェロ
パジェロ パジェロ テールゲートにヒント
 車体後部も前部と同様に、バンパー/テールゲート/コンビネーションランプ(テールライト)などのバランスをチェック。参考車両は背面タイヤが付いているが、コンビネーションランプの左右片方だけの交換や、ナンバープレートの異常(後部は封印を剥がした跡など)にも注意。
 テールゲートを閉めた状態で、全体に隙間が狂っていれば、テールゲートのずれか、車体の歪みが考えられる。部分的な隙間の異常は、その周辺の車体部を修理している。また、スムーズに閉まらない場合も、テールゲートのずれや車体の歪みなどの疑いがある。
後部の修理跡は要注意
 テールゲートは、表面だけでなく裏側に修理跡はないか。あるいは交換している形跡がないかもチェック。
 また、テールゲートを開けて開口部を見ると、左右両側共に鉄板が横から回り込んで、接合されている。溶接やシーラー、塗装などの状態を手がかりに、修理の痕跡などがないか、確かめよう。
 後方から強い衝撃を受けると、キャビン(室内部)との接合部やルーフパネルの前部にまで波及することもある。車体後部に修理/交換跡があれば、周辺はもとより、関連する部分にダメージが及んでいないか、調べる必要がある。
パジェロ パジェロ
パジェロ タイヤのチェック
 まず、残り溝の深さ(スリップサインが目安)を点検して、傷や異物の刺さりなどがないことを確認。
 さらに、接地面の摩耗状態をチェック。一部が極端に減っている偏摩耗を見つけたら、アライメント(ホイールの取り付け角度)が狂っているだけか、あるいは車体が歪んでいるのかを確かめる必要がある。
 また、純正以外のタイヤとホイールに交換していることも多い。念のために推奨サイズ(運転席側の柱に表記がある)を確かめよう。
床下も覗いてみる
 鉄板部に傷や凹み、変形、修理跡などはないか。特に太い鉄骨部(フレーム)や補強部材(メンバー)などに損傷がないかを確認。
 マフラーやサスペンションなどの部品類、ステーやアーム類などにも、傷や歪み、修理/交換の形跡がないか、調べよう。オイルやグリスなどによる油脂汚れ、滲みなど、漏れの兆候にも注意。錆を見つけたら、表面に浮いている程度なら心配ないが、腐食の進行状態を確かめよう。
パジェロ
パジェロ 不具合を察知する
 エンジンをかけて、始動状態、アイドリング回転などチェック。排気ガスは、水蒸気なら問題ないが、白煙や黒煙なら要注意。
 エンジンがかかりにくい場合は、バッテリーの他にも、発電装置や点火系など、さまざまな不調の原因が考えられる。
 実際に走ってみるのが望ましいが、エンジンが暖まってからアクセルペダルを軽く煽ってみて、スムーズに回転が上下するかどうかも試してみよう。また、エンジン回転中に、異音や大きな振動が出ているようなら、トラブルを抱えている可能性がある。
操作して確かめる
 エンジンをかけて、ブレーキを踏んだまま、PからDへ、NからRへなど、各ポジションにレバーを動かして、切り替え時にショックがあるなどの異常がないか、試してみよう。
 ギヤが切り替わる時のショックが激しくないか。繋がるタイミングが長すぎないか(滑っている感じ)。異音が発生していないか。できれば試走して、走行時の不具合をチェック。同時に、4WDの切り替えレバーも操作して、動作確認と合わせて異音が発生していないか、確かめたい。
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機能を調整操作してみる
 ウインカー、ヘッドライト、ハザード、テール/バック/ブレーキランプなど、保安機器類が間違いなく作動することをまず確認。
 また、エアコンは、温度調節や風量も試してみる。寒い日でも冷房の効きは必ず確かめよう。オーディオは、ラジオの選局、CDの選曲など他に、音量や前後左右スピーカーの調整なども試したい。
 電装機器や調整機構のある装備機器類は、スイッチをオン/オフするだけでなく、調整操作して、機能を確かめることだ。
 見落とすことが多いパワーウインドウの開閉、室内ランプの点灯、仕様グレードによってはキーレスエントリーなども、忘れずにチェックしよう。また、カーナビは、地図の発行時期を確かめよう。もちろん、最新版がベストだ。
パジェロ パジェロ パジェロ
カバー類は剥がして確認
 参考車両は、シートにカバーをかけている。たいていは保護が目的で、シート表皮がきれいに保たれていることが多いが、汚れや傷などを隠している場合もある。カバーを外して、確かめよう。
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パジェロ 車両の使い方を推察
 室内は、運転席周辺だけでなく、後席やラゲッジスペースまで、念入りにチェック。
 汚れや傷、穴などがないかを調べると同時に、車両がどのように使われていたかを推察してみよう。例えば、子供を乗せていれば、シートなどに飲食物の染みが付いていることがある。犬を乗せていると、カーペットの裏や溝に毛が残っている。ラゲッジスペースに傷が多い場合は、頻繁に荷物を出し入れしている。
 また、嗜好(タバコなど)や趣味(ペットなど)、仕事(業種による積載物)など、臭いから車両の履歴を推察することもできる。
車両の情報を確かめる
 車体まわりをチェックする前に、定期点検整備記録簿の内容を確かめておこう。記載された記録から過去にどのような整備を受けてきたのかがわかり、定期点検や消耗部品交換などの実施時期と、その時の走行距離を把握しておけば、車両各部の状態を探る参考になる。
 また、備え付けの書類は、車検証や車両取扱説明書が揃っているか。カーナビやオーディオなど、装備機器の説明書も含まれているか、確かめよう。
パジェロ
車両チェックの勘どころ
塗装
●部分的に色調や艶が違う場合には、周辺の状態もチェック。
●タイヤハウス(フェンダーのタイヤを覆っている部分)内に外装塗料が付着しているとか、メッキやゴム部品などに塗料の飛沫が付いているなどの場合も、周辺を詳しく確かめる必要がある。
●ドアの開口部などにマスキング(塗装スプレーが他の部分に広がらないようにするカバーを留める粘着テープを貼る)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、何らかの理由で塗装していることがわかる。
取り付けネジ
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体まわりの部品を交換する時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれているのは、ネジを回している証拠だ。
●普通はネジの頭は塗装されているので、傷は比較的容易に確認できる。無塗装の場合は判断しにくいので、車体の左右を見比べるといい。
溶接とシーラー
●車体を構成する部品が溶接で固定されている部分は、シーラー(接合部の隙間を埋める充填材)が塗布されている。修理や交換で再溶接すると塗り直すので、不自然になっている。
●疑わしい場合は、爪で押してみよう。表面が硬くても内部が柔らかい(プチッと表面が割れる)ようなら、修理後に新しいシーラーを盛っている。
●シーラーは、盛り上がっていたり、窪んでいたり、横方向にヒダがあるなど、鉄板の接合状態やシーラーを塗布する方法によって形状が違っている。不自然に見える部分を見つけたら、車体の左右同じ場所を見比べて判断しよう。
●車体各部はスポット溶接している(鉄板の接合部に小さな丸い窪みが並んでいる)部位も多いが、修理工場でスポットを打ち直している場合は、直径が5mm以下(新車時は5mm以上が普通)、窪みが深い、2度打ちしたずれなど、新車組み立て時の状態とは異なる特徴がある。
●電気スポット溶接の電極が入らない奥まった部分などは、炭酸ガスアーク溶接に代えることがあるので、スポット溶接の窪みがなくなっていることもある。
立て付け
●外板パネルなどを修理すると、組み付ける際に誤差が出ることがあり、それは、隣り合うパネルの隙間(チリ)を見ればわかる。隙間の幅が均等になっていなければ、修理している可能性がある。
●バンパーなどは押されてずれることもあるが、たとえ修理していなくても、隙間が合っていなければ、なんらかのダメージを受けている。
●モール類(フェンダーからドアにかけて線状に繋がっている飾りなど)やプレスライン(外板が折れ曲がっている角の線)がずれていることからも、立て付けに異常があることがわかる。
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