 |
最近の大型SUVは、荒れた道を走るというよりも多目的車として使われることが多く、車両チェックの基本は一般の乗用車とほとんど変わらない。降雪地で使われた車両は融雪剤による錆の発生に注意しよう。また、ファミリーでRVとして使っていて手入れが悪い場合は、インテリアが荒れているかもしれない。汚れやシミをはじめ、内装材を固定している留め具(グロメット)が甘くなっていないかもチェックしよう。エンジン系は、記録簿を見て定期点検や消耗部品の交換を確認。さらに念を入れるには、できるだけ試乗して、駆動系から異音が発生していないかチェックしたい。 |
| 2003年2月から販売されている現行モデルで、カナダで生産されている輸入車。アメリカ向けを基本としていることもあって、ホンダのSUVとしては最大級の大きさだ。乗車定員7人の本革シートの室内空間は極上で、特に2列目のゆったりとしたスペースはリムジン感覚。路面の状況に応じて駆動力を自動的に配分するインテリジェント駆動力コントロールシステム(VTM-4+VSA)を採用し、3.5リッターエンジンに5速オートマチックトランスミッションを組み合わせている。グレードは、高級仕様のエクスクルーシブのみの設定。 |
|
 |
車体のチリ合わせ(外板の隙間)をしっかり見る |
|
|
|
 |
細部まで念入りに観察して錆の発生を見抜く |
|
|
|
 |
試走して駆動系統からの異音に聞き耳立てる |
|
|
車体の全体から異常を読みとる
車両からやや離れた位置から、全体を見てみよう。大きな事故などを起こした車両は、全体になんとなく歪んで見えることがある。ナンバープレートは曲がっていないか? 左右のヘッドライトの色は同じか? バンパーはずれていないか? 車体の切れ目の隙間(チリ)は均等か? 部分的に艶がないとか、色がくすんでいたり他の部分と違って見えたら、補修したか修理したことが考えられる。また、車体の表面を観察すると、見る角度によって、歪みや波打っているのを見つけることもある。車体に写った周囲の景色が不自然に歪んでいたり、塗装表面が肌荒れのようになっている場所は修理跡かもしれない。 |
 |
 |
 |
ボンネットの交換は理由が問題
事故などでボンネットにダメージを負うと、新しいボンネットと交換することも少なくない。ボンネットを支えている金具(ヒンジ)を固定しているネジを脱着した形跡があったら要注意。事故の修理でボンネットを交換した可能性が高い。まれにエンジンの修理などのためにボンネットを脱着することもあるが、その場合は整備記録簿に記録が残っているはずだ。 |
不自然な部分や新しい部品
エンジンルーム内を観察して、各部の塗装の様子を見てみよう。車体と左右のフェンダー、ラジエターを支えているラジエターサポートなど、各部の色を見比べて違いを見つけるのだ。一部だけ色合いが異なっていれば、そこは修理して後で再塗装した可能性がある。周囲と比べて不自然にきれいな部分があれば、修理した跡かもしれない。さらに、細部も観察して、ゴムホースやベルトの劣化などを点検しよう。オイルのにじみや汚れにも注意。周囲と比べて新しく見える部品は交換している。整備手帳の記録を参考にすると、トラブルが発生した箇所や修理などの経緯がわかるはずだ。 |
 |
 |
車体前部の修復を推測する
フェンダーを固定しているネジの頭の塗装に傷あるなど、工具を使ってネジを脱着した形跡があれば、フェンダーを交換した可能性がある。フェンダーを交換していても事故車とはいわないが、車体の前部を広範囲に渡って修理しているかもしれない。交換していなければ、大きな事故を起こしていないといえる。 |
フロントガラスの付け根周辺にヒント
事故などで前部に大きな衝撃を受けて車体が歪むと、外板パネルを修理することになるが、部品を組み付ける際に誤差が出ることがある。それは各パネル同士の隙間(チリと呼ぶ)を見ればわかりやすい。フロントフェンダーの後端とドア、さらにフロントフェンダーとピラー(フロントガラスを挟んだ左右の柱)、それぞれのチリが均一でなければ、前部の外板に手を加えた(修理した)可能性が高い。同じ場所の車体の左右を見比べるのもチェックのコツだ。また、塗装する際に色合わせがうまくいかないと、色が微妙に違うことがある。隣り合う外板の色が合っているかもチェックしよう。 |
 |
 |
前部をぶつけるとダメージを受けやすい
エンジンルームのいちばん前にあってラジエターを支えていると呼ぶ鉄板(ラジエターサポート)を観察してみよう。MDXは、上部を覆うカバーと一体になっている。前部をぶつけると、高い確率でラジエターサポートを修正あるいは交換することになる。歪みや手を加えた痕跡がないかチェック。周囲と色が違っていたら、交換した証拠と思っていい。フェンダーとの接合部も、不自然なところがないか点検しよう。 |
車体の床下もチェック
床下は、意外なところにダメージを受けているのを発見することがある。フレームの歪みや部分的な変形をはじめ、マフラーなどの床下の部品類に傷や凹み、交換した形跡がないかどうかも探ってみよう。外観はきれいに修理しても、走行に影響がない見えない部分は、そのまま手を付けていないことがあるので、事故跡を見付けることがある。また、特にネジ類や溶接部を念入りに観察して錆が発生していないかどうかチェックしよう。 |
 |
 |
塗装表面を観察する
リアフェンダー周辺の車体にダメージを受けて修理した車両には、リアドアの開口部分などに塗装作業時にマスキング(塗装スプレーが他の部分に広がらないようにするカバーを留めるために粘着テープを貼る)した跡が残っていることもある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような段差があれば、新しく塗装している可能性が高い。段差が直線状になっていれば間違いなくマスキングテープを貼った跡なので、板金修理あるいは傷の補修など、何らかの理由で塗装したことがわかる。車体の左右同じ場所を比べてみると判断しやすい。 |
側面のダメージを推測する
車体側面のドア部分に損傷を受けると、ドア自体を交換してしまうことも多い。交換の際は、ドアを支えている金具(ヒンジ)を固定しているネジを脱着するので、ネジの状態をチェックしよう。前後左右ドアのネジを見比べて、特定のドアだけネジの頭に傷が多ければ脱着したことが疑える。ただし、新車組み立て時やドアの立て付けを調整するためにネジを回すこともあるので、ネジを脱着しているように見えても必ずしもドアを交換しているとはいえない。 |
 |
 |
 |
給油口の蓋もチェックポイント
車体後部にあるフューエルリッド(給油口の蓋)は、リアフェンダーを板金修理する際に外すことがある。ネジを脱着した形跡がないか点検してみよう。フューエルリッドを交換していれば、塗装表面の艶が周囲と違って見えることがある。いずれにしても、リアフェンダー周辺を修理していることが疑える。また、フューエルリッドの色を参考にして塗料を調合するために外すもある。取り外した形跡があれば、再塗装するなど、他の部分を修理したり補修していることも考えられる。 |
支え金具と周辺を観察する
リアゲートは面積が大きく、後部をぶつけるとダメージを受けやすい。ドアを支えている金具(ヒンジ)と、その周辺をチェックしよう。まず、ドアがしっかり閉まるかどうか、確かめてみる。ずれているせいで、スムーズにロックできないこともある。そして、ヒンジを固定しているネジを見て、脱着した形跡を探ってみる。ネジの脱着が修理や交換したかどうかの目安となる。また、ヒンジが接している周辺の鉄板が歪んでいたり板金修理した形跡がある場合は、ダメージが大きかったと推測できる。 |
 |
 |
リアゲート開口部の溶接部を見る
リアゲートを開くと、開口部は左右両側共に鉄板が横から回り込んで、溶接で固定されているのが見える。追突をはじめ、後部が変形するようなダメージを受けて修理した車両の場合は、溶接部分が乱れているし、車体の左右で違っている。また、板金塗装をしていれば、周囲と色の雰囲気が違って見えることもある。さらに確かめるには、鉄板の継ぎ目に盛って隙間を埋めているシール材を爪で押してみよう。表面が硬くても内部が柔らかい(爪で押すと「プチッ」と表面だけ割れる)ようなら、修理の際に新しいシールを盛ったということがわかる。 |
|
事前にトラブルを察知する
エンジンをかけてみよう。異音が聞こえり大きな振動が出ているようなら、トラブルを抱えている可能性がある。キーを捻ると、モーターが勢いよく回って容易にエンジンが始動するかどうか。モーターの回転が弱かったり始動がもたつく場合は、バッテリーが弱っていたり、エンジンの調整が必要かもしれない。実際に走ってみるのが望ましいが、エンジンが暖まってからアクセルを軽く煽ってみて、スムーズに回転が上下するかどうかも試してみよう。 |
 |
 |
使い方を推測する
インテリアの様子を見れば、どのように扱われていたかが推測できる。ラゲッジスペースの内装材が傷付いていたり、ひどく汚れている場合は、頻繁に荷物を出し入れしている。子供を乗せる機会が多いと、シートやカーペットにシミを付ける可能性が大きい。犬を乗せていると、しっかり掃除してあってもカーペットの溝や裏に犬の毛や臭いが残っていることもある。これらは、車両の状態を見極めるうえで大きなヒントになる。 |
試走してチェックする
オートマチックトランスミッションは、セレクトレバーをNからDへ、NからRへと、各ポジションに入れてみて、作動の具合いを試してみる。各ギヤへの切り替え時のショックは大きくないか、アクセルを踏むのと連動してスムーズに発進や加速ができるか、できる限り試走して確かめよう。 |
 |
|
|
 |
| クルマの鑑定ならおまかせ! |
中古車目利き講座のチェックポイントをアドバイスしてくれるのは、財団法人「日本自動車査定協会」。経済産業省と国土交通省の指導の下で中立公正な第三者機関として、査定士の技能検定試験や、実車を使った修復歴判定の査定トレーニングなどを行っている。車両の状態を判断するプロフェッショナルだ。全国の52カ所にある支所に依頼すれば、査定目的に応じた査定額を算定して、証明書を発行してくれる(有料)。
Tel. 03-5776-0901 www.jaai.com |
|
|
 |
|