トヨタ ランドクルーザー90 プラドの上質な中古車の見極め方


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ランドクルーザー90 プラド
参考車両 :ショート 3.4 RZ
初年度登録1996年5月

トヨタ ランドクルーザー90 プラド

基本的な作りはクロスカントリー車だが、不整地走破性能を活用している車両は少なく、ほとんどが街乗り中心だ。とはいっても、悪路を走り回っていた車両は皆無とはいえない。外装/内装/整備状態の基本チェックポイントをしっかり確認すると同時に、車両の使い方を見定めることが、良質車を選別する鍵になるだろう。特に、床下まわりのダメージ、油脂類の漏れに注意しよう。また、改造している場合は、部品の状態と走行への影響を要確認。

●1996年5月新発売の「90プラド」は、以前の「70プラド」に比べて快適性を大幅に高めたたモデル。エンジンやシャシーをハイラックスサーフと共用した、ランドクルーザーの中でも系統が分かれる別モデルとなり、それまでパートタイム4WDだった駆動方式をフルタイム4WDに変更している。

 ボディは、2ドアショートと4ドアロング(テールゲートを含めてそれぞれ3ドア、5ドアと呼ぶ)の2タイプがあり、当初のエンジンは、3.0(2982cc)ターボディーゼルと3.4(3378cc)ガソリンの2種。トランスミッションは、5速MTと4速ATがある。

 仕様グレードは、表記に「R」が付くのが3ドアで、「T」は5ドアを表すが、エアコンがマニュアル式のベーシックな「RJ」、オートエアコンやパワーウインドウを備えた「RS」、オーバーフェンダーを装着して太いタイヤとアルミホイールを装備している「RX」、サンルーフやキーレスエントリー、オーディオなどを装備した最上級「RZ」の4タイプ。5ドアの「TJ」「TS」「TX」「TZ」も、装備内容は3ドアに準じている。

●参考車両と同時期の仕様グレード設定

グレード 型式 シフト 駆動
・3ドア・ショート/定員5名 ・3.0 ディーゼル
RJ KD-KZJ90W 5MT 4WD
RS KD-KZJ90W 4AT 4WD
RX KD-KZJ90W 5MT 4AT 4WD
RZ KD-KZJ90W 5MT 4AT 4WD
・3ドア・ショート/定員5名 ・3.4 ガソリン
RZ E-VZJ90W 5MT 4AT 4WD
・5ドア・ロング/ 定員8名 ・3.0 ディーゼル
TJ KD-KZJ95W 5MT 4WD
TS KD-KZJ95W 4AT 4WD
TX KD-KZJ95W 5MT 4AT 4WD
TX 5人乗り仕様 KD-KZJ95W 4AT 4WD
TZ KD-KZJ95W 5MT 4AT 4WD
・5ドア・ロング/定員8名 ・3.4 ガソリン
TZ E-VZJ95W 4AT 4WD

●その後、1997年4月:2.7ガソリンエンジン追加
 ◇1998年1月:一部改良。TX特別仕様「TXリミテッド」発売◇1999年6月:マイナーチェンジ。バンパー内にフォグランプを装備。3ドアの丸型ランプを角形に変更◇ 2000年7月:マイナーチェンジ。3.0ターボディーゼルエンジンを直噴式に変更。◇2001年8月:特別仕様「TX リミテッド」を設定◇2002年10月:フルモデルチェンジして「120プラド」となる。

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ランドクルーザー90 プラド

車両の雰囲気から探る

 やや離れた位置から、全体の様子を観察しよう。外板パネルの立て付けや塗装面状態など、外観に異常はないかを確認。プロテクター(ガード)類など、オフロード車特有の装着もチェックしよう。

 車体前面は、バンパー/ ボンネット/グリル/ヘッドライトなどが並んでいるバランスを見る。左右対称になっていることも確かめよう。

 ヘッドライトやウインカーを片方だけ交換していれば、その側を修理している可能性もある。また、フロントガードが歪んでいれば、取り付け部分にダメージを受けていないか詳しく調べる必要がある。

角度を変えると見える

 外観は、見る角度を変えながらチェックしよう。表面を斜め方向から透かして見ると、見つけにくい小さな凹み、見落とすことが多い広くて浅い凹み、あるいは波跡(波打って見える板金修理跡)なども確認できる。

 また、部分的に艶や色調が違うとか、肌荒れ状態になっているなど、塗装面が不自然に見える箇所は、表面の補修程度の場合もあるが、板金修理跡の可能性もある。

ランドクルーザー90 プラド
ランドクルーザー90 プラド

整備状態を確かめる

 定期点検整備記録簿とつき合わせて、エンジンと周辺の部品をチェックしよう。エンジンオイルのにじみや汚れ(オイル漏れの兆候)にも注意。冷却水やオイルの量および汚れ、ブレーキやウォシャーの液量なども点検したい。

 周囲と比べて新しい、交換してる部品があれば、故障や不具合か、定期交換部品か、事故などでダメージを受けたのか。整備記録も探って、交換の理由を確かめよう。

車体のダメージを探る

 エンジンルーム内は、フェンダー側のサイドフレームとインナーパネル、室内側のダッシュパネルなど、車体内側の鉄板に歪みや修理/交換跡などがないかもチェックしよう。

 大きなダメージを受けると走行機能面に不具合が生じる、サスペンションの取り付け部周辺に注意。また、部品やネジなどに塗装の飛沫が付着している場合は、周辺を詳しく探ってみよう。

ボンネットのチェック

 外観面の凹みや傷をチェックする以外に、裏面に修理跡などがないかも調べよう。

 ダメージを負うと交換することもある。ヒンジ部の取り付けネジを脱着した形跡がないかもチェック。ボンネットを交換している疑いがあれば、他の部分から影響を受けたことも考えられる。周辺の車体部に修理跡がないか確かめよう。

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前部の必須チェックポイント

 エンジンルーム内のいちばん前で車体の左右に繋がっているラジエターサポートをチェックしよう。車体前部に強い衝撃を受けると影響が及ぶ確率が高い。修正あるいは修理/交換の形跡がないかを確認。左右サイドフレームとの接合部も調べよう。

 同時に、フロントグリルやヘッドライト/ ウインカーなど、周辺に設置されている部品の取り付け状態も確かめよう。

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取り付け状態を確認

 フロントフェンダーは、エンジンルーム内にある固定ネジをチェック。ネジを脱着した形跡があれば、外して修理、あるいは交換している可能性がある。

 フロントフェンダーは、重要な車体補強部材ではないので、修理しても修復歴車にはならないが、外して修理/交換していれば、大きな衝撃を受けて他の部分にもダメージを受けていることが考えられる。

隙間の幅と色調を見る

 外板パネルの立て付けは、例えば前部側面では、フェンダー、ドア、ピラー(フロントガラス左右にある柱)、ボンネットなどが隣接している。それぞれの隙間の幅が均等になっていなければ、ダメージを負ってずれているか、交換修理している(取り付けが狂っている)可能性がある。

 また、隣り合うパネルの色合いが異なっている場合も、修理/交換の疑いがある。

ランドクルーザー90 プラド
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周囲のダメージに注意

 参考車両のようにバンパーがずれている場合は、バンパーの取り付け状態をチェックして、フェンダー部の状態も確認。ダメージを受けているのがバンパーだけかどうかを確かめよう。

外傷よりも車体部の状態

 オーバーフェンダーやサイドプロテクターなど、側面に装着している樹脂部品に傷や破損、交換の形跡がないか確かめよう。もともと車体を損傷から守る役割があるが、交換していれば車体部を修理していることも考えられる。

側面のチェックポイント

 ドアに大きな損傷を負うと、外して修理、あるいは交換することもある。ドアヒンジ部のネジをチェックしよう。

 ただし、ドアの立て付け調整でネジを回すこともあるので、ネジ脱着だけでは修理/交換と断定することはできない。疑いがあれば、ピラー(ドアを取り付けている柱の部分)をはじめ、周辺も詳しく探って判断する必要がある。

ランドクルーザー90 プラド
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修理/交換の有無を確認

 車体側面は、サイドステップに修理/交換跡がないか。サイドシル(ドア下にある車体前後方向に通っている梁)に修理/交換跡がないか確認。サイドシル部はフェンダーとの接合部に注意。

 後部ドアの開口部(ピラー部)にマスキング跡があればリアフェンダーを補修、あるいは修理している可能性がある。また、フューエルリッド(給油口の蓋)を開けて、給油口の周辺にマスキング跡や修理跡などがないかも確認。

テールゲートにヒント

 車両後面も前部と同様に、バンパー/テールゲート/コンビネーションランプ(テールライト)などが並んでいるバランスをチェック。

 テールゲートの立て付けを見て、全体に狂っていれば、テールゲートがずれているか、あるいは車体が歪んでいることも考えられる。左右片方だけの隙間が不自然なら、その側の車体部を修理している。テールゲートがスムーズに閉まらない場合も、テールゲートのずれか、車体の歪みが疑える。

 また、後部ナンバープレートは、封印を剥がした傷が、テールゲートや車体後部の修理/交換を推察するヒントになる。

ランドクルーザー90 プラド

後部の修理跡には要注意

 横開き式テールゲートは、ドアと同様に、修理や交換の形跡がないか確かめよう。

 また、開口部左右の鉄板の接合部もチェック。溶接やシーラー、塗装の状態などから、修理/交換跡がないか確認しよう。特にスポット溶接が注意ポイントだが、車体の左右を見比べると、異常を判断しやすい。

 同様に、開口部下部のパネルもチェックしよう。

 後方から大きな衝撃を受けると、前部のエンジンのような、衝撃を受け止めるものがないので、他の部分に波及しやすい。修理/交換跡があれば、ダメージが及んだ範囲を確かめる必要がある。

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床下を覗いて探る

 フレーム(骨格部)やメンバー(補強部材)などの鉄板部に損傷や歪み、修理跡などはないか。マフラーやサスペンションなどの部品類、ステーやアームなどの金具類、カバー類なども、傷や凹み、曲がり、交換の形跡などがないかチェックしよう。また、オイルやグリスによる汚れや滲み(漏れの兆候)、ゴム部品の劣化など、点検整備と関わる部分も確認したい。

 錆が目に付くことも多いが、特に年式が古い車両は、腐食の進行に注意。表面に浮いている程度ならそれほど問題ないといえるが、マフラーの穴あきを代表とするダメージに進展することもある。

ランドクルーザー90 プラド
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タイヤのチェック

 タイヤは、1.6mm 以上(スリップサイン)を目安に、残り溝の深さを点検。さらに、摩耗状態も調べよう。接地面の一部が極端減っている偏摩耗があれば、アライメント(ホイールの取り付け角度)が狂っているのか、あるいは車体が歪んでいるのか、確かめる必要がある。偏摩耗は、前部インナーパネルの変形で生じることがある。

 また、タイヤのサイズも確かめよう。標準は車体に貼ってある「タイヤ空気圧表示」を見ればわかる。推奨サイズ以外のタイヤとホイールを装着している場合は、走行に及ぶ影響と車検の適合に注意しよう。不明な場合は、販売店に聞いてみよう。

不具合の兆候を察知

 エンジンをかけてみよう。始動時の状態、アイドリング回転の様子などを確認。エンジンが暖まってからアクセルペダルを軽く煽って、スムーズに回転が上下するかどうかも試してみよう。

 エンジンがかかりにくい場合は、バッテリーが弱っているだけの例も多いが、関連する発電系統をはじめ、他の装置や機器などに不具合が生じていることも考えられる。また、不安定なアイドリング、異音の発生、大きな振動などの症状が出ていれば、なんらかのトラブルを抱えている可能性がある。

ランドクルーザー90 プラド
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操作して確かめる

 セレクトレバーを操作してトランスミッションの状態をチェック。エンジンをかけてブレーキを踏んだまま、スムーズに各ポジションに切り替わることを確かめよう。

 できれば試走して、ギヤが切り替わる時のショックが大き過ぎる、繋がるタイミングが長過ぎる(滑っている感じ)など、走行中に不具合の兆候が出ていないかも確かめたい。また、プラドは悪路走破に対応する本格的な4WD 機構を備えている。可能なら、H(ハイ)、L(ロー)などの4WD切り替えも試してみたい。

装備機器類の機能を確認

 ウインカーやヘッドライト、ハザード、テール/バック/ブレーキランプなど、保安機器類の作動状態をまず確認。さらに、電装機器や調整機構のある装備機器類は、スイッチをオン/オフするだけでなく、調整操作して、機能をチェックしよう。

 エアコンは、冷房の効きに注意。見落とすことが多いパワーウインドウの開閉や室内ランプの点灯なども、忘れずにチェックしよう。また、カーナビを装備している場合は、地図の発行時期を確かめよう。

ランドクルーザー90 プラド
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使い方も探ってみる

 室内は、汚れや傷、染み、穴あきなどがないか。シートや内装材などの状態をチェック。前席周辺だけでなく、後席やラゲッジスペースまで、天井や床も含めて隅まで念入りに調べよう。

 運転席は、ドア側サポート部の傷み。樹脂部品は、深い傷や破損。ラゲッジスペースは、オーディオユニットなどの設置跡(穴)にも注意。

備え付けの書類を確認

 「車検証」で初度登録年月と型式、「保証書」で保証期間と保証内容を確認。さらに、「車両取扱説明書」、オプションや後付け装備などの使用説明書などが揃っていることも確かめよう。

 「定期点検整備記録簿」には、車両チェックに必要な情報が記載されている。車両がどのように使用され、整備されているか、記録を必ず確認しよう。定期点検や消耗部品交換などの実施時期と、その時の走行距離を把握しておけば、車両各部の状態を探る参考になる。

ランドクルーザー90 プラド
車両チェックの勘どころ
塗装

●部分的に色調や艶が違う場合には、周辺の状態もチェック。

●タイヤハウス(フェンダーのタイヤを覆っている部分)内に外装塗料が付着しているとか、メッキやゴム部品などに塗料の飛沫が付いているなどの場合も、周辺を詳しく確かめる必要がある。

●ドアの開口部などにマスキング(塗装スプレーが他の部分に広がらないようにするカバーを留める粘着テープを貼る)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、何らかの理由で塗装していることがわかる。

取り付けネジ

●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体まわりの部品を交換する時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれているのは、ネジを回している証拠だ。

●普通はネジの頭は塗装されているので、傷は比較的容易に確認できる。無塗装の場合は判断しにくいので、車体の左右を見比べるといい。

溶接とシーラー

●車体を構成する部品が溶接で固定されている部分は、シーラー(接合部の隙間を埋める充填材)が塗布されている。修理や交換で再溶接すると塗り直すので、不自然になっている。

●疑わしい場合は、爪で押してみよう。表面が硬くても内部が柔らかい(プチッと表面が割れる)ようなら、修理後に新しいシーラーを盛っている。

●シーラーは、盛り上がっていたり、窪んでいたり、横方向にヒダがあるなど、鉄板の接合状態やシーラーを塗布する方法によって形状が違っている。不自然に見える部分を見つけたら、車体の左右同じ場所を見比べて判断しよう。

●車体各部はスポット溶接している(鉄板の接合部に小さな丸い窪みが並んでいる)部位も多いが、修理工場でスポットを打ち直している場合は、直径が5mm以下(新車時は5mm以上が普通)、窪みが深い、2度打ちしたずれなど、新車組み立て時の状態とは異なる特徴がある。

●電気スポット溶接の電極が入らない奥まった部分などは、炭酸ガスアーク溶接に代えることがあるので、スポット溶接の窪みがなくなっていることもある。

立て付け

●外板パネルなどを修理すると、組み付ける際に誤差が出ることがあり、それは、隣り合うパネルの隙間(チリ)を見ればわかる。隙間の幅が均等になっていなければ、修理している可能性がある。

●バンパーなどは押されてずれることもあるが、たとえ修理していなくても、隙間が合っていなければ、なんらかのダメージを受けている。

●モール類(フェンダーからドアにかけて線状に繋がっている飾りなど)やプレスライン(外板が折れ曲がっている角の線)がずれていることからも、立て付けに異常があることがわかる。

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