中古車目利き講座 トヨタ クルーガーV

上質車両を見極める 中古車目利き講座
クルーガーV
参考車両 : 2.4 Sパッケージ 初年度登録2001年10月
TOYOTA
KLUGER V 
TA-ACU20W
トヨタ クルーガーV
SUVとはいっても、街で乗ることを主体としている都会派モデル。悪路走行などでダメージを受けている車両はほとんどないので、車体チェックは一般の乗用車と同じ感覚でいいだろう。比較的丁寧に扱われた車両もあるが、室内やラゲッジスペースの様子もしっかり確かめること。定期点検整備記録簿の記載内容を探って整備の履歴と現状を把握し、実際に目で見て状態を確かめよう。
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●参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード 型式 シフト 駆動
2.4 (2362cc)      
2.4 TA-ACU20W 4AT FF
2.4 FOUR TA-ACU25W 4AT 4WD
2.4 Sパッケージ TA-ACU20W 4AT FF
2.4 FOUR Sパッケージ TA-ACU25W 4AT 4WD
2.4 Gパッケージ TA-ACU20W 4AT FF
2.4 FOUR Gパッケージ TA-ACU25W 4AT 4WD
3.0 (2994cc)      
3.0 TA-MCU20W 4AT FF
3.0 FOUR TA-MCU25W 4AT 4WD
3.0 Sパッケージ TA-MCU20W 4AT FF
3.0 FOUR Sパッケージ TA-MCU25W 4AT 4WD
3.0 Gパッケージ TA-MCU20W 4AT FF
3.0 FOUR Gパッケージ TA-MCU25W 4AT 4WD
●高級SUVとして2000年11月に登場したクルーガーは、ハリアーの兄弟車。セダンをベースにしており、本格的なオフロード車のような悪路走破性はない代わりに快適性を高めている。
 エンジンは、2.4と3.0リッターの2種類。トランスミッションは全車4速オートマチックで、駆動方式にはFF(前輪駆動)と4WDがある。
 仕様グレードは、「2.4」と「3.0」が標準。「FOUR」は4WDを表す。他にパッケージ装備が設定されており、「Sパッケージ」はスポーツサスペンションやステアリグのスイッチでシフト操作が可能なスポーツマチックを備えたスポーティ仕様。「Gパッケージ」は電動シートや16インチアルミホイールを装着した豪華仕様になる。
 2003年8月のマイナーチェンジで、内外装を変更して3列シート備えた7人乗りを追加。同時にクルーガーLも発売されたが、販売系列店が異なるだけで車両の内容は同じだ。その後、クルーガーVは2005年11月に、クルーガーLは2007年5月に、それぞれ販売を終了している。
車両の雰囲気から探る
 車両から少し離れて、全体の様子を探ってみよう。各部の立て付け、塗装面の状態、車両の傾きなど、外観の異常はないか、確認。
 前部は、ボンネット/グリル/バンパーなどの横線が揃っているか。左右対称になっているかを確かめる。
 左右ヘッドライトやフォグランプのバランスも見てみよう。どちらかが新しく感じたら(交換の疑い)、その側が補修されている可能性がある。交換している場合は、単なるライト破損などによる部品交換だけなのか、車体部の修理に伴う処理なのか、周辺を詳しく調べてみよう。
クルーガーV
クルーガーV 見る角度を変えて観察
 傷や凹み、塗装の異常など、車体の表面をチェックする時は、見る角度を変えながら探ろう。
 斜めから透かして見ると、見落としがちな浅くて広い凹み、あるいは波打ち(しわ)なども見つけることができる。
 しわが寄っているのは、衝撃を受けているか、板金修理跡だ。
 艶の違いや肌荒れ状態など、塗装表面に部分的な異常がある箇所も、補修や修理などを行っている可能性がある。
整備状態を確かめる
 定期点検整備記録簿とつき合わせて、ゴムホースやベルトの劣化など、消耗部品を中心にエンジンと周辺の状態を調べよう。
 エンジンオイルのにじみや汚れ(オイル漏れの兆候)にも注意。冷却水やオイルの量および汚れ、ブレーキやウォシャーの液量なども点検したい。
 明らかに部品を交換している場合は、事故などでダメージを受けたか、それとも故障や不良か。交換した理由を確かめよう。
クルーガーV
内側の鉄板を調べる
 エンジンルーム内は、インナーパネル(左右フェンダー側)、ダッシュパネル(運転席側)など各部の鉄板をチェック。
 溶接、シーラー、塗装などの状態から、修理や交換跡などがないか、確かめよう。
 また、部品やネジなどに塗装の飛沫が付いている場合は、周辺に修理の跡がないか、確認。
 インナーパネルなど、車体を構成する重要な部材を修理/交換すれば、修復歴車になる。
クルーガーV ボンネットのチェック
 表面の傷や凹みをチェックする以外に、裏側に修理跡などがないかも調べよう。
 また、ダメージを負うと交換することもある。ヒンジの固定ネジを脱着した形跡がないか、見てみよう。
 ボンネットの交換は、車体前部を修理している可能性がある。交換している疑いがあれば、周辺に修理跡がないかも探ってみよう。
必須チェックポイント
 エンジンルームのいちばん前で車体の左右に繋がっているラジエターコアサポートと呼ぶ鉄板をチェックしよう。
 車体前部に衝撃を受けると影響を受けやすく、外観に異常が見つからなくても、この部品で車体にダメージを受けていることがわかることがある。
 修理や交換などの痕跡はないか、確認しよう。
クルーガーV
クルーガーV 取り付け状態をチェック
 フロントフェンダーは、外観の傷や凹み、立て付けなどをチェックすると同時に、ボンネットを開けて、固定ネジを確かめよう。脱着した形跡があれば、修理あるいは交換している可能性がある。
 フロントフェンダーを修理しても修復歴車にはならないが、外して修理や交換するほどなら、大きな衝撃を受けていることも考えられる。取り付け状態によっては、周辺も詳しく調べる必要がある。
隙間の幅と色調を見る
 車体前部の側面では、フェンダー、ドア、ピラー(フロントガラス左右にある柱)などが隣合わせになっている。それぞれの隙間の幅(チリと呼ばれる)を見てみよう。均等になっていなければ、いずれかを修理している可能性が高い。
 また、外板パネルの隙間を境に、隣り合う塗装の色調も比べてみよう。修理や交換をすると、色艶が違って見えることがある。
クルーガーV
クルーガーV クルーガーV 側面をチェックするヒント
 側面に大きな損傷を受けると、ドアを交換することも多い。ヒンジの固定ネジをチェックしよう。
 ただし、ドアの立て付けを調整するためにネジを回すこともあるので、ネジ脱着の形跡だけではドアを交換しているとは断定できない。
縁の部分もチェック
 前後フェンダーとも膨らみがついており、擦り傷などが付いているのを見かけることもある。傷を見つけたら、傷の深さを調べると同時に凹みを伴っていないか、指で触って確かめよう。
 また、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁を覗いてみよう。クルーガーVはカバーで覆っているが、フェンダーを修理している場合は、内側に折り返している目に付かない部分に修理の痕跡が残っていることがある。
クルーガーV
クルーガーV クルーガーV 給油口の蓋もポイント
 リアドアを開けて、開口部の塗装面を見てみよう。マスキング跡(塗装面に直線状の段差)があれば、リアフェンダーを補修、あるいは修理している可能性がある。
 フューエルリッド(給油口の蓋)もチェックポイント。開けて、マスキング跡や修理跡などがないか、調べよう。
 フューエルリッドを外したり、交換している形跡がある場合も、リアフェンダー周辺を修理している疑いがある。
テールゲートが手がかり
 後面も前部と同様にバンパー/テールゲート/コンビネーションランプ(テールライト)が並んでいる状態をチェックしよう。
 ナンバープレートの封印を剥がした傷がないかも注意。テールゲートの修理や交換、あるいは車体後部を修理していることを知る手がかりになる。
 テールゲートを閉めた時の立て付けを見て、全体に狂っていれば、テールゲート自体がずれているか、あるいは車体の歪みも疑える。左右の片方だけ隙間が狂っていれば、その側の車体部を修理していると判断して間違いないだろう。
クルーガーV
クルーガーV スペアタイヤを外して底を見る
 スペアタイヤの収納部を確かめよう。波打ち、板金修理跡などがないか、チェック。
 底に貼ってあるシート状の防振材も見てみよう。切り接ぎや張り替えた形跡などが修理を推察するヒントになる。
鉄板の接合部を探る
 車体後部は外側の外板パネルとキャビン(室内)側のパネルが接合されている。テールゲート開口部の鉄板の継ぎ目を見てみよう。 溶接やシーラー、塗装の状態などをチェック。
 異常があれば、修理していることが考えられる。左右を比べてみると、判断しやすい。
 また、テールゲートは交換することもある。ヒンジのネジを脱着している形跡がないかも確認。
 コンビネーションランプやバンパーの交換にも注意しよう。
 後方から強い衝撃を受けるとキャビンやルーフ前部にまで波及することがある。修理/交換していることが判明したら、周辺と関連部分も調べて、ダメージを負った範囲を確かめる必要がある。
クルーガーV クルーガーV
クルーガーV 減り具合と減り方を確認
 タイヤは、スリップサインを目安に減り具合(残り溝の深さ)をまず点検。
 溝が十分に残っていても、減り方を必ず調べよう。接地面を見て、一部が極端に減っている「偏摩耗」を見つけたら、アライメント(ホイールの取り付け角度)が狂っているだけなのか、あるいは車体が歪んでいるのかを確かめる必要がある。偏摩耗は、車体前部のインナーパネルが変形して生じることもある。
床下を覗いてチェック
 鉄板部の変形や凹み、支え金具類の歪み、修理した痕跡などはないか、前後、左右から覗いて全体の様子を見てみよう。
 マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷や曲がりなどがないか。修理/交換している形跡がないか、確かめよう。
 車体側部は、サイドシル(ドアの下にある車体前後方向に通っている梁の部分)がチェックポイント。下部に修理跡などがないか、特に注意してチェックしよう。
クルーガーV
クルーガーV トラブルを察知する
 エンジンをかけてみよう。始動状態、アイドリング回転などをチェック。実際に走ってみるのが望ましいが、エンジンが暖まってからアクセルペダルを軽く煽ってみて、スムーズに回転が上下するかどうかも試してみよう。
 容易にエンジンがかからない場合は、バッテリーあがりの目安にもなるが、発電装置の不良など、さまざまな原因が考えられる。回転中に異音や大きな振動が出ているようなら、トラブルを抱えている可能性がある。
操作して機能を確かめる
 保安機器類(ヘッドライト、テールランプ、ブレーキ、ウインカー)などの作動をまずチェック。
 さらに、装備機器類が正常に機能しているか、確かめよう。
 エアコンは、温度調節や風量を試してみる。オーディオは、ラジオだけでなくCDも聴いてみるなど、電装機器や電動機構などはスイッチをオン/オフするだけでなく調整機構を操作してみる。
 カーナビを備えている場合は、地図の発行時期も確かめよう。
 また、室内は、汚れや傷、穴などがないか。後部座席やラゲッジスペースまでチェックしよう。
クルーガーV クルーガーV
クルーガーV オートマチックをチェック
 エンジンをかけて、ブレーキを踏んだまま、PからDへ、NからRへなど、各ポジションにレバーを動かして、引っかかりやゆるみ(ぐらつき)などはないか、切り替え時にショックがあるなどの異常がないか、試してみよう。
 できれば試走して、ギヤが切り替わる状態や異音が出ていないか、走行中の様子も確かめたい。
 また、グレードによってはステアリングホイールのボタンスイッチでシフト操作できる機構を備えているが、これもできれば試走して、動作確認したい。
車両の情報に目を通す
 定期点検整備記録簿は、車体をチェックする前に、記載内容を調べておこう。過去にどのような整備を受けてきたのかがわかり、定期点検や消耗部品交換などの実施時期と、その時の走行距離を把握しておくと、車両各部の状態を探る参考になる。
 また、備え付けの書類は、車検証の他に、車両や標準装備類はもちろん、オプションや後付けの社外製品が付いている場合も、それぞれの取扱説明書が揃っていることを確かめよう。
クルーガーV
車両チェックの勘どころ
塗装
●部分的に色調や艶が違う場合には、周辺の状態もチェック。
●タイヤハウス(フェンダーのタイヤを覆っている部分)内に外装塗料が付着しているとか、メッキやゴム部品などに塗料の飛沫が付いているなどの場合も、周辺を詳しく確かめる必要がある。
●ドアの開口部などにマスキング(塗装スプレーが他の部分に広がらないようにするカバーを留める粘着テープを貼る)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、何らかの理由で塗装していることがわかる。
取り付けネジ
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体まわりの部品を交換する時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれているのは、ネジを回している証拠だ。
●普通はネジの頭は塗装されているので、傷は比較的容易に確認できる。無塗装の場合は判断しにくいので、車体の左右を見比べるといい。
溶接とシーラー
●車体を構成する部品が溶接で固定されている部分は、シーラー(接合部の隙間を埋める充填材)が塗布されている。修理や交換で再溶接すると塗り直すので、不自然になっている。
●疑わしい場合は、爪で押してみよう。表面が硬くても内部が柔らかい(プチッと表面が割れる)ようなら、修理後に新しいシーラーを盛っている。
●シーラーは、盛り上がっていたり、窪んでいたり、横方向にヒダがあるなど、鉄板の接合状態やシーラーを塗布する方法によって形状が違っている。不自然に見える部分を見つけたら、車体の左右同じ場所を見比べて判断しよう。
●車体各部はスポット溶接されている(鉄板の接合部に小さな丸い窪みが並んでいる)部位も多いが、修理工場でスポットを打ち直している場合は、直径が5mm以下(新車時は5mm以上が普通)、窪みが深い、2度打ちしたずれなど、新車組み立て時の状態とは異なる特徴がある。
●電気スポット溶接の電極が入らない奥まった部分などは、炭酸ガスアーク溶接に代えることがあるので、スポット溶接の窪みがなくなっていることもある。
立て付け
●外板パネルなどを修理すると、組み付ける際に誤差が出ることがあり、それは、隣り合うパネルの隙間(チリ)を見ればわかる。隙間の幅が均等になっていなければ、修理している可能性が高い。
●バンパーなどは、押されてずれることがある。たとえ修理していなくても、隙間が合っていなければ、なんらかのダメージを受けている。
●モール類(フェンダーからドアにかけて線状に繋がっている飾りなど)やプレスライン(外板が折れ曲がっている角の線)がずれていることからも、立て付けに異常があることがわかる。
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 中古車の目利きチェックポイントをアドバイスしてくれるのは、財団法人「日本自動車査定協会」。経済産業省と国土交通省の指導の下で中立公正な第三者機関として、査定士の技能検定試験や、実車を使った修復歴判定の査定トレーニングなどを行っている。車両の状態を判断するプロフェッショナルだ。全国の52カ所にある支所に依頼すれば、査定目的に応じた査定額を算定して、証明書を発行(有料)してくれる。
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