中古車目利き講座 トヨタ イプサム

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イプサム ミニバンは、開口部が大きいことから、車体が疲労しやすく、過度な負担をかけると歪みを生じることもある。ドアやリアゲートの開閉状態をチェックすると同時に、開口部周辺に異常はないか、調べてみよう。外観は、ステップ部(ドアの下)やリアゲート部など、人が出入りしたり荷物を出し入れするなどで頻繁に使う部分の傷に注意しよう。エンジンをはじめ走行に関わる機能部分は、定期点検整備が目安になる。記録簿と突き合わせながら各部の状態をチェックするといいだろう。仕様グレードがスポーティタイプの場合は、改造に注意する必要があるかもしれない。
2002 IPSUM 240s ●イプサムは1996年5月から販売されているファミリーユーザー向けのミニバン。2001年5月の変更で車体が大きくなり、ゆったりした居住空間が確保されて使い勝手も向上している。また、以前は2.0と2.2リッターエンジンがあったが、2.4リッターだけになった。参考車両は初期登録2002年2月の240sで、この時期の車両に該当する。駆動方式はFF(前輪駆動)と4WD(4輪駆動)。トランスミッションは4速オートマチック(コラムシフト)のみ。乗車定員は7人と6人がある。装備には、豪華仕様の240uと240u Gセレクション、スポーティな240s、充実装備の240i、基本装備の240eがあり、駆動方式や乗車定員などとの組み合わせで仕様グレードは16タイプが設定されている。その後、2003年10月、2004年3月/4月、2005年8月に一部変更や改訂が行われている。
CHECK POINT
01
試走して車体まわりのきしみ音を調べる
02
室内の傷や汚れから使い方を推察する
03
記録簿を探って日頃の整備状況を確かめる
車体の映り込みを観察する
車体に映る周囲の景色を見てみよう。歪みや凹み、あるいは波打っているのを見つけることもある。塗装表面が肌荒れ状態になっている場合も、事故を起こして板金塗装した修理跡かもしれない。正面、左右、上下から、見る角度を変えてみると異常を見つけやすい。また、車両からやや離れて観察してみよう。ナンバープレートの曲がり、左右ヘッドライトの色が違う、バンパーが車体とずれている、車体の切れ目の隙間(チリ)が均等になっていない、などといった不自然な部分を発見することがある。「何となく変な感じ」を受ける部分があれば、近寄って念入りにチェックしよう。
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イプサム エンジンルーム内をチェック
各部の塗装の状態を見てみよう。車体内部と左右のフェンダー、ラジエターを支えているラジエターサポートなど、各部の色を見比べながら色の違いを探ってみる。一部だけ色合いが異なっていたり、周囲と比べて不自然にきれいな部分があれば、そこは修理した後で再塗装した可能性がある。さらに細部に目を向けて、ゴムホースやベルトの劣化など、消耗部品を中心にエンジン関係の部品をチェック。オイルのにじみや汚れにも注意。周囲と比べて新しく見える部品は、交換している。整備手帳の記録を参考にすると、トラブルが発生した箇所や修理などの経緯がわかるはずだ。

エンジンルーム内を見る時には、必ずフロントグリルの後ろにあるラジエターサポートと呼ぶ(エンジンルームのいちばん前で車体の左右に繋がっている)鉄板をチェックしよう。事故などで車体前部をぶつけると、修正あるいは交換修理する確率が高い。歪みや手を加えた痕跡がないかチェック。周囲と色が違っていたら交換した証拠と思っていい。左右フェンダーとの接合部も、不自然なところはないか点検しよう。
フロントグリルの裏側も探る
フロントバンパーとラジエターの間にはラジエターサポート部に繋がっているステー(支え金具)がある。ステーは、車体前部に損傷を受けると、歪んだり、修理時に交換することも多い。変形や固定部のネジの脱着、塗装状態など、異常や不自然な様子に注意しながら観察してみよう。
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イプサム 隙間と色の違いがポイント
事故などで前部に大きな衝撃を受けて車体が歪むと、外板パネルを修理することになるが、パネルを組み付ける際に誤差が出ることがある。フロントフェンダーの後端とドア、フロントフェンダーとピラー(フロントガラスを挟んだ左右の柱)など、それぞれのチリが均一でなければ、前部の外板に手を加えた(修理した)可能性が高い。同じ場所の車体の左右を見比べると、判断しやすい。また、再塗装すると、色が微妙に違うことがある。隣り合う外板の色が合っているかもチェックしよう。
車体側面のダメージを推察する
車体側面のドア部分に大きな損傷を受けると、ドア自体を交換してしまうことも多い。交換時には、ドアを支えている金具(ヒンジ)を固定しているネジを脱着するので、ネジの状態をチェックしよう。前後左右のドアを見比べて、特定のヒンジだけネジの頭に傷が付いていれば、工具を使ったと考えられる。ただし、新車の組み立て時やドアの立て付けを調整するためにネジを回すこともあるので、ネジを脱着したように見えても、必ずしもドアを交換しているとはいえない。
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イプサム 交換には理由がある
ボンネットを支えている金具(ヒンジ)を固定しているネジに脱着した形跡を発見したら、事故などでダメージを受けて、ボンネット交換していることを疑ってみる。ただし、エンジンの修理などでボンネットを外す場合もある。もし、エンジンに手を入れるために外したのなら、点検整備記録が残っているはずだ。記録簿を確かめてみよう。
鉄板の合わせ目を見る
ドアは外と内のパネル2枚を合わせた構造になっており、損傷を受けて修理する場合は溶接をはがして板金することもある。元通りに組み付けて再溶接した後で、パネルの合わせ目をシーリング(防水防錆のために隙間を埋める)し直すので、シール材を盛った形状が新車とは違うことがある。不自然に見えたら、シール材を爪で押してみよう。表面だけが硬くて中が柔らかい(押すとプチッと音を立てて表面が割れる)場合は、修理して新しいシールを盛っている。シールのチェックは、ドアに限らず車体各部の溶接部分でも試してみよう。
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イプサム 車体前部の修復を推察する
フェンダーを固定しているネジの頭の塗装に傷あるなど、工具を使ってネジを脱着した跡があれば、フェンダーを交換した可能性がある。フェンダーを交換していても事故車(修復歴車)とはいわないが、車体の前部を広範囲にわたって修理しているかもしれない。交換していなければ、大きな事故を起こしていないといえる。
補修の跡が開口部に残る
後部ドアを開けて開口部を観察してみよう。車体後部のフェンダー部周辺を板金修理したり傷などを補修する時には、再塗装を目立たなくするために、開口部まで塗装することがある。その場合は、塗装作業時にマスキング(塗装スプレーが他の部分に広がらないようにするカバーを留めるために粘着テープを貼る)する。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせると引っかかるような段差があり、段差が直線状になっていれば、間違いなくマスキングテープを貼った跡なので、何らかの理由で塗装したことがわかる。車体の左右同じ場所を見比べると判断しやすい。
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イプサム 下から覗いて修理の痕跡を探る
日頃見ることがない、クルマの床下もチェックしよう。例えば、ドアの下を覗くと、スポット溶接(小さな丸い窪みが並んでいる)で車体部と床部の鉄板を接合しているのが見える。スポット溶接がきれいに揃っていれば、手を加えていないと判断していい。溶接が乱れているようなら、何らかの修理をして再溶接している証拠だ。そして床下のチェックでは、鉄板部の歪みや部分的な変形をはじめ、マフラーなどの床下の部品類に傷や凹み、交換した形跡がないかどうかも探ってみる。外観はきれいに修理しても、走行に影響がない見えない部分は、そのまま手を付けていないことがあるので、事故などで受けたダメージを発見することがある。
支えている部分をチェックする
車体後部をぶつけると、リアゲートもダメージを受けやすい。修理や交換したかどうかをチェックするには、ゲートを支えている金具(ヒンジ)を見る。ネジの頭の塗装に傷があるなど、ネジを脱着した形跡がないかどうか見てみよう。ヒンジが接している周辺の鉄板に歪みが残っている場合は、ダメージが大きかったと推察できる。また、ゲートがしっかり閉まるかどうかもチェックしよう。車体の後部全体が歪んでいるせいで、リアゲートの位置が微妙にずれていることもある。そして、開閉状態もチェック。リアゲートを途中で止めてみて、下がってこなければ正常。下がってしまうのは、開閉を補助するロッド(ダンパー)がへたっている。
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イプサム イプサム 溶接部の状態を見る
リアゲートを開くと、開口部は左右両側共に鉄板が横から回り込んで、溶接で固定されているのが見える。鉄板の合わせ目やスポット溶接(丸い窪みになっている)をチェックしよう。追突をはじめ、後部が変形するようなダメージを受けて修理した車両は、溶接部分が不自然になっていたり、車体の左右で違っている。また、板金塗装をしていれば、周囲と色の雰囲気が違って見えることもある。さらに確かめるには、鉄板の継ぎ目に盛っているシール材を爪で押してみよう。新しいシールを盛っていると表面が硬くても内部が柔らかいので、修理していることがわかる。
点検整備記録に目を通す
点検記録簿(整備手帳など)の内容を、車両をチェックする前に確認しておこう。過去にどのような整備を受けてきたのがわかり、車両各部の状態を探る参考になる。定期点検時の走行距離とも突き合わせてチェックしよう。詳細な記録が残っている車両は、走行距離が伸びていてもコンディションがよく、機能部分には大きな問題を抱えていないと推察できる。記録簿以外にも、オイル交換などをすると、記録シールを貼ったり、カードなどを記録簿にはさむこともある。車両の状態を示す情報は、車体やエンジンルーム、車検証ケースの内にもある。
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イプサムのコンディションはここで見極める!
試走してチェック
異音が発生していないか、確実に切り替えができるかどうか、トランスミッションの具合を確かめてみよう。NからDへ、NからRへなど、各ポジションにセレクトレバーを操作してみる。さらに、ギヤが切り替わる時のショックが激しくないかをチェック。また、ハンドルに設置されているステアリングシフト(ボタン操作)でも確実に作動するか確かめよう。できるだけ走行状態でチェックしたい。
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イプサム 改造をチェックする
参考車両は、マフラーを交換している。基本的には車検に通らない部品は販売できないので問題はないと思われるが、音には好みがあるのでエンジンをかけて聞いてみるといいだろう。また、しっかり固定されているかどうか、バンパーなどに接触していないかなど、取り付け状態を念入りにチェックしよう。
装備類を操作してみる
ターンシグナル(ウインカー)やライト類、ワイパーなどの作動をチェックするのは常識だが、エアコンやオーディオシステムなどの装備機器も、必ず操作して正常に機能しているかどうかチェックしよう。純正、社外製品を問わず、オーディオ類やカーナビなどは、取扱説明書が揃っていることも確認しよう。
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イプサム 走り方を推察する
走行距離とタイヤの減り具合を見よう。高年式車で走行距離が少ない場合、極端にタイヤの一部が減っている偏摩耗に要注意。アライメント(タイヤの取り付け角度)が狂っているだけなのか、あるいは事故で受けたダメージなどで車体が歪んでしまったのかを確かめる必要がある。また、激しい走り方をしていると、タイヤの接地面だけでなく角や側面まですり減る。その場合は、車体やエンジン、サスペンションなど各部に負担をかけていると判断できるし、走行に関わる部品などの消耗も進んでいるはずだ。特にメーカー指定以外の太いホイールとタイヤ、あるいはサスペンションを交換している(たいていは色が付いた目立つ部品が付いている)などの改造車両は、専門家に相談したほうがいいだろう。
外装部品の傷に注意
擦ったり引っ掻いたり、車体に傷を付けることも多いが、参考車両も数カ所に傷がある。傷を見つけたら深さをチェックしよう。樹脂部品は、材質によっては衝撃でひびや割れができることもあるので、傷の周辺や固定部も見てみよう。
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イプサム トラブルを察知する
エンジンをかけてみよう。異音が聞こえり、大きな振動が出ているようなら、トラブルを抱えている可能性がある。キーを捻って、モーターの回転が弱かったり始動がもたつく場合は、バッテリーが弱っていたり、エンジンの調整が必要かもしれない。実際に走ってみるのが望ましいが、エンジンが暖まってからアクセルペダルを軽く煽ってみて、スムーズに回転が上下するかどうかも試してみよう。
クルマの扱い方を推察する
インテリアの状態を見れば、どのように扱われていたかがある程度わかる。特にミニバンなどの場合、内装やシートに傷が多いとか、ひどく汚れている場合は、常に荷物を出し入れしていたはず。一般に、乗用車として使われていた車両は、目立つような傷は少ない。また、シートに染みが付いていたり、カーペットの隙間や裏に食べ物のかすなどが埋まっている場合は、子供を乗せていたと推察できる。犬を乗せていた車両は、しっかり掃除してあってもカーペットの溝や裏に犬の毛や臭いが残っていることもある。クルマの扱い方によっては車体各部の疲労や傷みが進行しているかもしれないことを念頭にチェックしてみよう。
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日本自動車査定協会
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中古車目利き講座のチェックポイントをアドバイスしてくれるのは、財団法人「日本自動車査定協会」。経済産業省と国土交通省の指導の下で中立公正な第三者機関として、査定士の技能検定試験や、実車を使った修復歴判定の査定トレーニングなどを行っている。車両の状態を判断するプロフェッショナルだ。全国の52カ所にある支所に依頼すれば、査定目的に応じた査定額を算定して、証明書を発行してくれる(有料)。
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