中古車目利き講座 スズキ セルボ

上質車両を見極める 中古車目利き講座
セルボ
参考車両 : G 初年度登録2006年12月
SUZUKI
CERVO 
DBA-HG21S
スズキ セルボ
軽自動車は幅広いユーザーに使われている。目利きポイントをしっかりチェックすると同時に、全体の様子から使い方や走り方を推察してみよう。クルマを使えば傷んでくるが、各部の傷み具合のバランスをみることも車両の良否を見極める判断材料になる。外観のチェックでは、小さな傷や凹みを見逃さない。室内は、日頃の手入れしていないことによる全体の荒れに気を付けよう。また、中には点検整備を受けていない、乗りっぱなしの車両もあるので要注意。
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●参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード 型式 シフト 駆動
G DBA-HG21S 4AT FF
  CBA-HG21S 4AT 4WD
T CBA-HG21S 4AT FF
  CBA-HG21S 4AT 4WD
TX CBA-HG21S 4AT FF
  CBA-HG21S 4AT 4WD
●2006年11月発売の新型セルボ。「セルボ」は、70〜80年代にクーペのスペシャルティカーとして販売されていたが、軽自動車の規格変更に伴い1990年6月に660ccハッチバック「セルボモード」に移行し、1998年10月に生産終了。その後8年の間を置いて、新型5ドアセダンとして復活している。
 660(658cc)エンジンは自然吸気とターボ、トランスミッションはゲート式フロアシフト4速ATとマニュアルモード付4速AT、駆動方式は2WD(前輪駆動)と4WDがある。
 仕様グレードは、「G」、「T」、「TX」の3タイプ。スタンダードのGは自然吸気エンジンを搭載。TとTXはターボエンジン+マニュアルモード付4速ATで、TXはエアロパーツや14インチアルミホイール、オートエアコンなどを装備した上級仕様だ。
 参考車両は新発売当初の初期型になるが、その後の2007年6月に、Gをベースにエアロパーツやアルミホイールを装着した特別仕様車「Gリミテッド」が発売されている。2007年10月には一部改良(足まわり改良、右側エンジンマウント液封化など)と同時に、日本初のDI(直接噴射)ターボ+7速マニュアルモード付CVT(自動無段変速機)を搭載した上級グレード「SR」が設定されている。
外観の雰囲気から探る
 車両から少し離れて、全体の様子を探ろう。外板パネルの立て付け、塗装面の状態など、外観各部に異常はないかをチェック。
 前面は、バンパー/ボンネット/ヘッドライトなどが並んでいる線に違和感はないか。左右対称になっているかを確かめる。後部も同様に、バンパー/テールゲート/コンビネーションランプ(テールライト)などのバランスを見る。
 ヘッドライトやテールライトが左右の片方だけ新しい場合(交換の疑い)は、単なるライト破損だけか、車体部の修理に伴う処置か、交換した理由を調べる必要がある。
セルボ セルボ
セルボ 見る角度を変えながら観察
 車体まわりを調べる時は、見る角度を変えながら観察しよう。
 外観がきれいでも、斜め方向から透かして見ると、見落としがちな浅くて広い凹み、あるいは波打ち(しわ)なども確認できる。
 しわが寄っているのは、衝撃を受けているか、板金修理跡と判断できる。塗装面の部分的な異常(色艶の違い、肌荒れ状態など)も、補修程度の場合もあるが、修理跡の可能性がある。
整備状態を確かめる
 定期点検整備記録簿と合わせて、消耗部品を中心にエンジンと周辺の整備状態をチェック。できれば、冷却水やオイルの量および汚れ、ブレーキやウォシャーの液量なども点検したい。オイル汚れや滲み(漏れの兆候)にも注意。
 周囲と比べて新しく見える、交換の疑いがある部品は、定期交換消耗部品か、故障や不良か、あるいは事故などでダメージを受けたのか、整備記録を探ってみよう。
セルボ
内側の鉄板を調べる
 エンジンルーム内は、インナーパネル(左右フェンダー内側の鉄板)やダッシュパネル(室内側の鉄板)などの状態を必ずチェックしよう。
 インナーパネルに大きなダメージを受けると、走行機能面に重大な不具合が生じる。
 溶接やシーラー、塗装の状態(色は外板とは異なる)などから、修理/交換跡などがないか、念入りに調べよう。
セルボ ボンネットのチェック
 外面の傷などをチェックするだけでなく、裏面に修理跡などがないかも確かめよう。
 大きな損傷を負うと、外して修理したり、交換することもある。ヒンジ部のネジ脱着にも注意。
 ボンネットを修理/交換していれば、車体部を修理している可能性がある。車体前部を詳しく探ってみよう。
車体前部の必須チェック
 エンジンルームのいちばん前で車体の左右に繋がっているラジエターコアサポートは、車体チェックの目利きポイント。
 車体前部をぶつけると、衝撃の影響を受けやすく、修整修理あるいは交換している確率が高い。外観をきれいに直しても、ラジエターサポートに痕跡が残ることがある。
 左右フェンダー側に通っているサイドサポートの状態にも注意して、異常がないか、確認。
セルボ
セルボ 隙間と同時に色調も見る
 外板部品は、例えば前部側面では、バンパー/ボンネット/フェンダー/ドア/ピラー(フロントウインドウ左右の柱)などが隣り合っている。それぞれの隙間の幅が均等になっていなければ、ダメージを受けて部品がずれているか、修理している可能性が高い。
 また、修理や交換で塗装すると、仕上がった色が微妙に違うことがある。隙間を境に、隣り合う外板パネルの色調が合っているかどうかもチェックしよう。
取り付け状態を確認
 フロントフェンダーは、固定しているネジをチェック。脱着した形跡があれば、フェンダーを外して修理、あるいは交換している可能性がある。
 フロントフェンダーは重要な車体補強部材ではないので、補修や修理していても、修復歴車にはならないが、異常がなければ大きなダメージは受けていないと推察できる。フェンダーを外している疑いがあれば、周辺を詳しく探って、受けたダメージや修理した範囲を確かめる必要がある。
セルボ
セルボ セルボ 車体側面のチェックポイント
 ドアに大きな損傷を受けると、外して修理したり、交換することもある。ドアヒンジの固定ネジを脱着した形跡がないか、調べてみよう。ただし、新車の組み立て時やドアの立て付けを調整するためにネジを回すこともあるので、ネジ脱着だけではドアを外しているとはいえない。
 ドアを修理、あるいは交換している疑いがある場合は、他にも修理/交換跡などがないか、ピラー(柱)部をはじめ、周辺もチェックしよう。
リアフェンダーのチェック
 リアドアの開口部を見てみよう。リアフェンダー周辺を補修、あるいは修理していると、マスキング跡が残っていることもある。
 ホイールアーチ(フェンダーの縁の部分)に修理跡などがないかも、下から覗いて、チェック。
 フューエルリッド(給油口の蓋)を開けて、内部にマスキング跡や修理跡などがないかも確認。
 リッドの色がフェンダー部と違っていれば、フェンダーを修理していると判断して間違いない。
セルボ セルボ
セルボ テールゲートを調べる
 車体後部はテールゲートの立て付け状態がポイント。
 全体に隙間が狂っていれば、ゲートがずれているか、あるいは車体が歪んでいることも考えられる。左右片方だけの隙間に異常があれば、その側の車体部を修理している可能性が高い。
 また、開閉状態もチェックしよう。スムーズに閉まらない場合も、ゲートのずれ、あるいは車体の歪みの疑いがある。
 テールゲート自体も、内(裏)側に修理跡はないか。さらに、ヒンジ部のネジも調べて、交換の形跡などがないかも確かめよう。
鉄板の接合部を確かめる
 テールゲートの開口部を見ると、左右両側共に鉄板が横から回り込んで、溶接で接合されている。溶接やシーラーなどの状態をチェック。特にスポット溶接の状態に注意。左右を見比べれば、異常を確認しやすい。
 コンビネーションランプやバンパーの交換にも注意しよう。
 後方から強い衝撃を受けるとキャビン(室内)やルーフの前部にまで波及することがある。車体後部を修理/交換している場合は、周辺および関連部分まで広く調べて、ダメージを受けた範囲を確かめる必要がある。
セルボ セルボ
セルボ 床下を覗いてチェック
 鉄板部に傷や凹み、歪み、変形、修理跡などはないか。マフラーやサスペンションなど、部品類に損傷や修理/交換跡などがないか、確かめよう。外観はきれいに修理しても、走行に影響がない見えない部分は補修や修理をしないことがあるので、事故などで受けたダメージ跡を見つけることもある。サイドシル(左右ドア下にある車体前後方向に通っている梁の部分)下部の状態にも要注意。
減り具合とへりかたを
 タイヤは、減り具合(残り溝の深さ1.6mm以上が目安)を、まず点検。傷や異物の刺さりなどがないかも確かめよう。
 溝が十分に残っていても、減り方も調べよう。接地面を見て、一部が極端に減っている「偏摩耗」を見つけたら、アライメント(ホイールの取り付け角度)が狂っているだけか、あるいは車体が歪んでいるのか、確かめる必要がある。偏摩耗は、車体前部のインナーパネルが変形して生じることもあるので、注意が必要だ。
セルボ
セルボ トラブルを察知する
 エンジンをかけてみよう。かかりが悪い場合は、バッテリーをはじめ、充電系統や点火系など、さまざまな不良要因が考えられる。
 アイドリング回転が安定していることも確認。さらに、実際に走ってみるのが望ましいが、エンジンが暖まってからアクセルペダルを軽く煽ってみて、スムーズに回転が上下するかどうかも試してみよう。
 エンジンの回転中に異音が聞こえたり、大きな振動が出ているようなら、トラブルを抱えている可能性がある。
オートマチックをチェック
 エンジンをかけて、ブレーキを踏んだまま、セレクトレバーを、PからDへ、NからRへなど、各ポジションに操作して、引っかかりやゆるみ(ぐらつき)などはないか、チェック。
 できれば試走して、ギヤが切り替わる時のショックが激しくないか。異音が発生していないか。アクセルを踏んだ時に滑っているような感じがしないか。さらに、マニュアルモードの作動状態も確かめたい。
セルボ
セルボ 装備機器類の操作確認
 ウインカーやライト類(ヘッドライト/テール/ブレーキなど)、ハザード、ワイパーなどの保安機器類の作動を必ずチェック。
 エアコンは、冷暖房ともに温度や風量などを調節してみる。オーディオは、CDやラジオなどの音源を試してみる。
 電装機器や調整機構のある装置は、すべて操作して、機能を確かめることがポイントだ。
 パワーウインドウの開閉や室内灯の点灯なども、忘れずに確認。運転席まわりだけでなく、助手席や後席周辺もチェックしよう。
インテリアのチェック
 室内は、汚れ、傷、穴あきなどはないか。シートや内張りの状態などもしっかりチェック。
 小さな子供が乗っていると、飲食物などをこぼした染みが残っていることもあるが、こびりついた汚れなどは、クリーニングできれいになるかどうか。樹脂部品に深い傷や破損があれば、樹脂の修復は難しいので交換が必要かもしれない。
 汚れや傷を見つけたら、程度を見極めることもポイントだ。
セルボ セルボ
セルボ 車両の情報をチェック
 備え付けの書類は、車検証(登録年月日や型式などを確認)の他に、車両取扱説明書、オーディオなどの装備機器類の説明書が揃っていることを確かめよう。オプションや後付けの社外製品を装着している場合も、使用説明書の有無を確認しよう。
 車両のチェックに欠かせないのが、定期点検整備記録簿。車体まわりを探る前に、必ず記載内容を調べよう。過去にどのような整備を受けてきたのかがわかり、定期点検や消耗部品交換などの実施時期と、その時の走行距離を把握しておけば、車両各部の状態を探る参考になる。
 また、エンジンルーム内やピラー部にオイル交換の記録シールなど貼っていることがある。他にも、フロントガラスには車検日、運転席側のドア開口部には推奨タイヤ/ホイールサイズと空気圧、リアウインドウには排出ガス基準認定など、車両に関する情報が表示されている。車両に関する情報に注意を払うのも、目利きチェックのコツだ。
車両チェックの勘どころ
塗装
●部分的に色調や艶が違う場合には、周辺の状態もチェック。
●タイヤハウス(フェンダーのタイヤを覆っている部分)内に外装塗料が付着しているとか、メッキやゴム部品などに塗料の飛沫が付いているなどの場合も、周辺を詳しく確かめる必要がある。
●ドアの開口部などにマスキング(塗装スプレーが他の部分に広がらないようにするカバーを留める粘着テープを貼る)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、何らかの理由で塗装していることがわかる。
取り付けネジ
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体まわりの部品を交換する時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれているのは、ネジを回している証拠だ。
●普通はネジの頭は塗装されているので、傷は比較的容易に確認できる。無塗装の場合は判断しにくいので、車体の左右を見比べるといい。
溶接とシーラー
●車体を構成する部品が溶接で固定されている部分は、シーラー(接合部の隙間を埋める充填材)が塗布されている。修理や交換で再溶接すると塗り直すので、不自然になっている。
●疑わしい場合は、爪で押してみよう。表面が硬くても内部が柔らかい(プチッと表面が割れる)ようなら、修理後に新しいシーラーを盛っている。
●シーラーは、盛り上がっていたり、窪んでいたり、横方向にヒダがあるなど、鉄板の接合状態やシーラーを塗布する方法によって形状が違っている。不自然に見える部分を見つけたら、車体の左右同じ場所を見比べて判断しよう。
●車体各部はスポット溶接している(鉄板の接合部に小さな丸い窪みが並んでいる)部位も多いが、修理工場でスポットを打ち直している場合は、直径が5mm以下(新車時は5mm以上が普通)、窪みが深い、2度打ちしたずれなど、新車組み立て時の状態とは異なる特徴がある。
●電気スポット溶接の電極が入らない奥まった部分などは、炭酸ガスアーク溶接に代えることがあるので、スポット溶接の窪みがなくなっていることもある。
立て付け
●外板パネルなどを修理すると、組み付ける際に誤差が出ることがあり、それは、隣り合うパネルの隙間(チリ)を見ればわかる。隙間の幅が均等になっていなければ、修理している可能性がある。
●バンパーなどは押されてずれることもあるが、たとえ修理していなくても、隙間が合っていなければ、なんらかのダメージを受けている。
●モール類(フェンダーからドアにかけて線状に繋がっている飾りなど)やプレスライン(外板が折れ曲がっている角の線)がずれていることからも、立て付けに異常があることがわかる。
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 中古車の目利きチェックポイントをアドバイスしてくれるのは、財団法人「日本自動車査定協会」。経済産業省と国土交通省の指導の下で中立公正な第三者機関として、査定士の技能検定試験や、実車を使った修復歴判定の査定トレーニングなどを行っている。車両の状態を判断するプロフェッショナルだ。全国の52カ所にある支所に依頼すれば、査定目的に応じた査定額を算定して、証明書を発行(有料)してくれる。
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