中古車目利き講座 スズキ アルト

上質車両を見極める 中古車目利き講座
アルト
参考車両 : アルト G AT 
初年度登録2005年9月
SUZUKI
ALTO 
CBA-HA24S
スズキ アルト
一般ユーザーが日常の足として使っていることが多い。外観は、小さな傷や凹みを見落とさないように、しっかりチェックしよう。なかには定期点検整備を受けていなかったり、不注意な運転など、雑に扱われていた車両もある。定期点検整備記録を確かめよう。内装の傷や汚れなど、室内が荒れている場合は、整備にも無関心な傾向にある。商用で使っていた車両は、ラゲッジスペースの状態や臭い、走行距離などにも、注意。車両の使い方を推察することも、目利きチェックの大きなポイントになる。
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●参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード 型式 シフト 駆動
E CBA-HA24S 3AT FF
  CBA-HA24S 5MT FF
  CBA-HA24S 3AT 4WD
  CBA-HA24S 5MT 4WD
G CBA-HA24S 3AT FF
  CBA-HA24S 5MT FF
  CBA-HA24S 3AT 4WD
  CBA-HA24S 5MT 4WD
X DBA-HA24S 4AT FF
  CBA-HA24S 4AT 4WD
X セットオプション DBA-HA24S 4AT FF
  CBA-HA24S 4AT 4WD
特別仕様車 CBA-HA24S 3AT FF
Gスペシャル CBA-HA24S 3AT 4WD
  CBA-HA24S 5MT FF
  CBA-HA24S 5MT 4WD
VS (商用バン) GBD-HA24V 3AT FF
  GBD-HA24V 3AT 4WD
  GBD-HA24V 5MT FF
  GBD-HA24V 5MT 4WD
VP (商用バン) GBD-HA24V 3AT FF
  GBD-HA24V 3AT 4WD
  GBD-HA24V 5MT FF
  GBD-HA24V 5MT 4WD
●2004年9月にフルモデルチェンジして6代目となったアルト。ターボ付のエンジンなど付加価値を付けた仕様はなく、シンプルなラインナップで、軽自動車の中でもベーシックに徹している。
 エンジンは、54psの自然吸気660cc3気筒。駆動方式は、2WD(FF)と4WD。トランスミッションは、グレードにより5速MT、3速AT、4速ATが設定されている。
 乗用車系のグレードは、廉価グレード(とはいえオーディオやパワーウインドー、エアコンを装備)の「E」、キースエントリーや電動式格納ミラーを装備している「G」、運転席シートリフターや分割可倒式リヤシートなどを備えた「X」の3タイプ。Xには、フォグランプや14インチアルミホイールを組み込んだ「セットオプション」も設定されている。
 2005年5月に、Gをベースにアルミホイールや電動格納式ミラー、スモークガラスなどを追加装備した「Gスペシャル」を発売。
 その後、2006年1月に新グレード「EII(イーツー)」を発売。2006年12月のマイナーチェンジで、外観を一新した。
 商用バンの「VS」は、2005年1月に加わっている。同年5月には、商用車「アルト バン」にバックドア連動式の集中ドアロックやキーレスエントリーシステムを採用した新グレード「VP」を追加。
全体の感じから掴む
 やや離れた位置から、車両全体の様子を観察しよう。
 外板パネルの隙間(立て付け)、塗装面の光沢や色むら、車両の傾きなど、外観各部に異常はないか、チェック。
 前面は、バンパー/ボンネット/ヘッドライトの横線が揃って、左右対称になっているかを確認する。ヘッドライトが片方だけ新しい場合(交換の疑い)は、単にライトの破損だけで交換したのか、車体部を修理していないか、周辺を詳しく探る必要がある。
アルト
アルト 見る角度を変えて観察
 車体まわりは、プレスラインや立て付けと同時に、凹み修理跡がないかも、確かめよう。見る角度を変えながら観察すれば、小さな凹みや浅くて広い凹みなども発見しやすい。
 表面の色艶が違っている部分は、補修や修理している可能性が高い。しわが寄っているのは、衝撃を受けているダメージ痕か、板金修理跡と判断できる。
鉄板部分の異常を探る
 エンジンルーム内の鉄板部分をチェック。インナーパネルは車体に溶接されていて、車体の骨格ともなる非常に重要な部分だ。
 溶接やシーラー、塗装の状態などから、修理跡や交換跡などはないか、念入りに調べよう。
 また、ラジエターコアサポート(エンジンルームのいちばん前で車体の左右に繋がっている鉄板)を、必ずチェック。車体前部をぶつけると、修正あるいは交換修理する確率が高い。
アルト
整備状態を確かめる
 まず、ゴムホースやベルトの劣化など、消耗部品を中心にエンジンと周辺の部品を、点検。
 冷却水やオイルの量および汚れ、ブレーキやウォシャーの液量なども点検したい。オイルのにじみや漏れの兆候にも注意。
 周囲と比べて新しく見える部品は、交換していることが疑える。事故などでダメージを受けて交換したのか、それとも故障や不良により交換したのか、点検整備記録も探ってみよう。
アルト ボンネットのチェック
 外観表面の傷や凹みの他に、裏側に修理跡がないかも、調べよう。
 損傷を受けると交換することもある。ヒンジ部の固定ネジを見て、取り付け状態(ネジを脱着した形跡)をチェック。ボンネットを交換した形跡があれば、周辺の車体部を再チェックしよう。
取り付け状態から推察する
 フロントフェンダーは、固定しているネジ(エンジンルーム内と前ドア開口部にある)をチェック。ネジを脱着した形跡があれば、フェンダーを外して修理したり、交換している可能性がある。
 補修や修理交換しても修復歴車にはならないが、フェンダーに異常がなければ大きなダメージは受けていないと判断できる。交換している様子があれば、車体内側や周辺も調べて、車体のダメージと修理の範囲を確かめる必要がある。
アルト アルト
アルト 隙間の幅と色調を見る
 「チリ」と呼ばれる部品同士の隙間がヒント。外観をチェックする時は、各外板パネルの立て付け(隙間)を念入りに観察しよう。
 車体前部では、フェンダー、ドア、ピラー(フロントガラスを挟んだ左右の柱)、ボンネットなどが隣接している。
 それぞれの隙間の幅が均等になっていなければ、ダメージを受けて部品がずれているか、あるいは修理している可能性がある。
 また、補修や修理、交換などで塗装すると、仕上がった色が微妙に違うことがある。隙間を境に、隣り合うパネルの色調が合っているかにも、気を付けよう。
アルト アルト 車体側面のチェック
 ドアに大きな損傷を受けると、ドアを外して修理したり、交換することがある。支えている金具(ヒンジ)の固定ネジをチェック。アルトは無塗装ネジで判別しにくい。前後左右ドアを見比べよう。
 ただし、新車の組み立て時やドアの立て付けを調整するためにネジを回すこともあるので、ネジを脱着しているように見えても、必ずしもドアを交換しているとはいえない。疑いがある場合は、周辺も調べて、総合して判断する。
ドアの開口部にヒント
 リアドアを開けて、開口部を見てみよう。塗装面に直線上の段差があれば、マスキング跡の可能性が高い。
 マスキング跡があれば、リアフェンダーを補修、あるいは板金修理している疑いがある。
 また、リアフェンダーに損傷を受けて交換してい場合は、サイドシル(ステップ部)に修理跡を見つけることもある。塗装の状態がヒントだ。
アルト
縁と内側を調べる
 タイヤを囲んでいるホイールアーチと呼ばれる部分をチェックしよう。内側に折り込まれた部分に注目。リアフェンダーを補修したり修理すると、跡が残っていることがある。車体左右を見比べると、異常を確かめやすい。
 さらに、フェンダーの奥(タイヤハウス内)を覗いてみよう。部品などに外板色の塗料が付着している場合は、フェンダーを修理して塗装している疑いがある。
アルト アルト 車体後部のチェック
 テールゲートを閉めた状態を見て、全体に隙間が違っていれば、ゲートのずれか、あるいは車体の歪みかを疑ってみる。片側の隙間に異常があれば、その側を修理している可能性が高い。
 開閉がスムーズかどうかも確かめよう。しっかりロックできない場合も、ゲートのずれや車体の歪みの疑いがある。
 スペアタイヤ収納部も、チェック。凹み、波打ち、板金修理跡、交換跡などはないか、確かめよう。底に貼ってある防振シートの切り接ぎや張り替えた形跡なども修理を推察する目安になる。
鉄板の接合部を観察する
 車体後部に大きなダメージを受けると、テールゲートを交換することもある。固定しているヒンジのネジに手を加えた痕跡がないか見てみよう。
 また、テールゲートを開けると、左右両側共に鉄板が横から回り込んで接合されているのが見える。左右を見比べながら、溶接部に異常がないか、チェック。
 後方から強い衝撃を受けると、他の部分に波及しやすい。修理や交換している疑いがあれば、バンパー、フェンダー、ピラー、ルーフなど、周辺と関連部にも修理跡がないか、再チェックしよう。
アルト アルト
アルト 床下の部品を確かめる
 床下を覗いて、マフラーなどの床下の部品類に傷や凹み、交換した形跡がないかどうか、探ってみよう。
 部品類に傷などがあると、放置すると錆が発生するので、注意が必要だ。
 ネジの傷(取り付け状態)と溶接や塗装の異常などをチェック。部品が新しい場合は、交換している疑いがある。
 オイルなどの液体が漏れていないかも、チェックしよう。
車体骨格部の損傷に注意
 床下は、鉄板部の傷や凹み、各部支え金具類の歪みや変形などはないかも、チェック。
 外観はきれいに修理しても、走行に影響がない見えない部分は補修や修理をしないことがあるので、事故などで受けたダメージ跡を見つけることがある。
 サイドシル(ドアの下にある車体前後方向に通っている梁の部分)の下部の修理跡には、特に注意。車体左右を見比べて、異常がないことを確かめよう。
操作して不具合を察知
 エンジンは、始動状態、アイドリングなどをチェック。実際に走ってみるのが望ましいが、エンジンが暖まってからアクセルペダルを軽く煽ってみて、スムーズに回転が上下するかどうかも、試してみよう。異音や大きな振動が出ているようなら、トラブルを抱えている可能性がある。
 ATは、できれば試走して、ギヤが切り替わる時のショックが激しくないか、繋がるタイミングが長すぎないかも、チェックしたい。スムーズさがポイントだ。
 MTは、シフトレバーの動き具合とクラッチの切れを確かめよう。
アルト アルト
アルト 調整機能も確かめる
 装備機器は、まず、ターンシグナル(ウインカー)やライト類、ワイパーなどの作動状態を確認。
 さらに、オーディオやエアコンなどをチェック。運転席まわりだけでなく、すべての席のパワーウインドウの開閉や室内ランプの点灯なども、調べよう。
 電装機器や調整機構のある装備類は、スイッチをONにするだけでなく、「機能を操作してみる」ことがポイントだ。例えば、エアコンは、温度調節や風量も試してみる。オーディオは、ラジオをかけるだけでなく音量を変えたり、CDをセットして聞いてみる。
車両の記録も参考にする
 備え付けの書類は、車両の取扱説明書だけでなく、純正オプションや後付けの社外製品なども、説明書も揃っていることを確認しよう。
 記録簿(メンテナンスノートなど)は、必ず記載内容を調べる。定期点検整備記録を見れば、過去に受けてきた整備がわかり、定期点検や消耗部品交換などの実施時期と、その時の走行距離を把握しておくと、車両各部の状態を探る参考になる。
アルト
アルト タイヤのチェックポイント
 減り具合(残り溝の深さ)を調べるだけでなく、異物が埋まっていたり、傷やひび割れ(古いタイヤに起こる)がないかにも注意。4本とも確認するのを忘れずに。
 減り方(摩耗状態)も見てみよう。タイヤ外周の接地面を見て、一部が極端に減っている「偏摩耗」を見つけたら、アライメント(ホイールの取り付け角度)狂っているだけなのか、あるいはダメージを受けて車体が歪んでいるのかを確かめる必要がある。
車両チェックの勘どころ
塗装
●部分的に色調や艶が違う場合には、周辺の状態もチェック。
●タイヤハウス(フェンダーのタイヤを覆っている部分)内に外装塗料が付着しているとか、メッキやゴム部品などに塗料の飛沫が付いているなどの場合も、周辺を詳しく確かめる必要がある。
●ドアの開口部などにマスキング(塗装スプレーが他の部分に広がらないようにするカバーを留める粘着テープを貼る)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、何らかの理由で塗装していることがわかる。
取り付けネジ
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体まわりの部品を交換する時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれているのは、ネジを回している証拠だ。
●普通はネジの頭は塗装されているので、傷は比較的容易に確認できる。無塗装の場合は判断しにくいので、車体の左右を見比べるといい。
溶接とシーラー
●車体を構成する部品が溶接で固定されている部分は、シーラー(接合部の隙間を埋める充填材)が塗布されている。修理や交換で再溶接すると塗り直すので、不自然になっている。
●疑わしい場合は、爪で押してみよう。表面が硬くても内部が柔らかい(プチッと表面が割れる)ようなら、修理後に新しいシーラーを盛っている。
●シーラーは、盛り上がっていたり、窪んでいたり、横方向にヒダがあるなど、鉄板の接合状態やシーラーを塗布する方法によって形状が違っている。不自然に見える部分を見つけたら、車体の左右同じ場所を見比べて判断しよう。
●車体各部はスポット溶接されている(鉄板の接合部に小さな丸い窪みが並んでいる)部位も多いが、修理工場でスポットを打ち直している場合は、直径が5mm以下(新車時は5mm以上が普通)、窪みが深い、2度打ちしたずれなど、新車組み立て時の状態とは異なる特徴がある。
●電気スポット溶接の電極が入らない奥まった部分などは、炭酸ガスアーク溶接に代えることがあるので、スポット溶接の窪みがなくなっていることもある。
立て付け
●外板パネルなどを修理すると、組み付ける際に誤差が出ることがあり、それは、隣り合うパネルの隙間(チリ)を見ればわかる。隙間の幅が均等になっていなければ、修理している可能性が高い。
●バンパーなどは、押されてずれることがある。たとえ修理していなくても、隙間が合っていなければ、なんらかのダメージを受けている。
●モール類(フェンダーからドアにかけて線状に繋がっている飾りなど)やプレスライン(外板が折れ曲がっている角の線)がずれていることからも、立て付けに異常があることがわかる。
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