「軽っぽくなったな」という印象を抱いた方もいらっしゃるだろう。じつはこれが今回のねらいで、黒の面積の比率を抑え軽のスポーティモデルとしてわかりやすく見せるというコンサバティブな手法を取り入れたものなのだ。パーツ構成数は増えてはいるが、変更量としてはマイチェンレベルに抑えられているのである。
ガラッと変わったのはパワートレイン系と足まわりといった中身。DI(直噴ターボ)エンジンにCVTを組み合わされるという、日本初のコンビネーションが目玉だ。これが初モデルとは思えないほどマッチングが非常によく、どこから踏んでいってもパワーの付き方がすばらしい。実際、スズキの軽自動車のなかでいちばんトルクフルというのだから、面白いくらいパワフルなのだ。それでいて燃圧ポンプを可変タイプに変更するなど、時代に即した燃費と排ガス性能が向上するチューンが施されているため、軽ターボで唯一のグリーン税制に適合。NAより燃費がイイとは驚愕してしまう。
さらに足まわりも変更が行われた。ストラットの軸径を太くして、減衰力をチューニング、タイヤをポテンザからB250へと変更することで、アタリをマイルドに乗り心地よく、粘りながらよく動く足まわりを目指したというのである。さらに、スズキのなかでいちばん軽量なホイールを採用してバネ下重量の軽減をはかったことで、クルマの向きがググッと粘りながら変わるようになり、より安心してアクセルを踏んでいけるようになった。上質なスポーツを見事に具現化した1台なのだ。
(文:竹岡圭 写真:中村宏祐)