チューニングショップのデモカー?と見間違えそうな、ヤル気バリバリのスタイリングである。しかし、これはエアロダイナミクスをきちんと計算し尽くした結果から生まれたのだ。タイプSのポイントのひとつは空力。フロントスポイラーは、正圧エリアと負圧エリアをうまくコントロールすることで、リフトバランスを前後60対40にコントロール。ボディ下面に流入する気流を調整し、浮き上がりを押さえ込みながら、前方から当たる空気の整流効果がはかられている。また大きく張り出した部分は、高速走行時にボディを路面に押し付ける方向に力を発生するようになっているのだ。
もうひとつポイントとされたのが足まわりである。ショックアブソーバー&スプリング、スタビライザーなどで、どれもいわゆるスポーティにしっかりと固める方向に向けられているが、舌を噛みそうなくらいのゴツゴツ感はなく、しなやかさを追求したセッティングになっている。路面の悪い街なかでも、十分対応できるように動きがよく、ちょっとしたレーンチェンジでも安定感よくスッと動いてくれるという感じが体感できるというワケなのだ。
しかし、やはりタイプSの真骨頂は高速やワインディング。パワートレイン系は同じだが、ロール剛性が上がったのとエアロダイナミクスで安定感が出たことで、よりタイヤの接地感が向上。路面ホールド感が向上したことで食いつき感があるのである。しかし、エアロが本格的に効くのは100km/h以上なので、やはりそれなりの舞台が似合うクルマなのだ。
(文:竹岡圭 写真:柳田由人)