国際試乗会は北アフリカのモロッコで行われた。3.7L・V6エンジンは低回転から強力なトルクを発生してくれるので、ATが4速でも不満はなく、高速道路のない今回のコースでは十分な加速をもたらしてくれた。ただし乗り心地は舗装路ではゴツゴツ感が気になった。
ところがその後ダートに入ると、硬めのサスペンションが持ち前の長いストロークを使うようになり、アスファルトよりむしろ快適に思えるほどの乗り心地をもたらす。岩場を通過してもゴンッという音が響くだけ。舗装路ではありえない大きな起伏さえしっとり吸収する。
セレクトラックIIと名づけられた4WDシステムは、2WDのほか、電子制御カップリングで前後トルク配分を自在に調節する4WDオートと、直結4WDローの3モードを持つ新開発のセレクトラックIIを使う。4WDオートはリヤに多めの駆動力が配分される設定で、ダートではFRのようなテールスライドも思いのまま。一方4WDローモードで挑んだ砂漠では、歩くのも困難な丘の連続をノーマルタイヤのままで走りきってしまった。急な岩場の下りで試したヒルディセントコントロールは、ジープ初とは思えないきめ細やかな作動が印象的だった。
ルーフのほぼ全面が開く巨大なキャンバストップなど、新型チェロキーは装備面でもいくつか新しいアイテムを取り入れている。しかしオフロードの走破性を重視する思想は、まぎれもないジープであり続けていた。
(文:森口将之 写真:クライスラー日本) |